最近希望者が多い「一人サロン開業」のデメリットについて考えてみました!

公開日:2021/06/16  更新日:2021/06/16
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
一人サロン

一人サロンの開業を希望する人が増えています。

 

「とにかく一人でサロンを経営したい」「セット面は1席、シャンプー1台で十分」といった、自分だけのお店を持ちたいというニーズです。

 

一人サロンが増えている背景は様々ありますが、やはり人の問題は大きいと思います。

 

採用自体が難しいだけでなく、「人間関係が疲れる」といった事情があります。

 

また、コロナの影響もあるのかもしれません。

 

「密を避けるためにあえて1対1の空間にしたい」といった声も聞かれます。

 

サロン規模は年々小さくなっています。

 

しかし、一人でサロンを営業していく形態は、スタッフを雇わないという点で、小規模サロンとも違います。

 

一人サロンは「固定客がいればすぐ黒字化する」「スタッフがいない分、経費を抑えられる」「お客さまにじっくりと向き合える」など様々なメリットが思い浮かびます。

 

しかしメリットもあればデメリットもあります。

 

今回は一人サロンのマイナス部分について考えてみましょう。

 

ビューティガレージは一人サロンのサポート実績が豊富です。ぜひご相談ください。

 開業無料相談に申し込む

 

ビジネスとしては魅力がない

一人サロンでは、オーナー以外のスタイリストがいません。

 

よい意味では、自分と顧客だけの空間になります。

 

特に開業するときに、すでに自分の固定客が来店してくれるのならば、お客さまとの時間を独占できるのです。

 

一方で、一人サロンは成長が決まっています。

 

一人の美容師が1日にこなせる客数は限られています。

 

まして、固定客との時間をゆったり取るとなると、1日5人~6人が限度でしょう。

 

するとサロンの売上や利益は自ずと限界が見えます。

 

それ自体は問題ではないかもしれません。

 

お客さまとの時間を大切にしつつ、自分の生活も維持できる売上を理想とする生き方だからです。

 

ところが、融資の点では別の解釈をされます。

 

つまり、あまり儲からないサロンであるという解釈です。

 

大きな成長が見込めないビジネスにはお金を貸しません。

 

事業を始める以上は、常に繁盛していくようなシナリオが求められます。

 

それは融資だけではありません。

 

不動産も内装業者もそうです。

 

「お金にならない」事業には興味がないのです。

 

大家さんの立場であれば、そのテナントの価値を上げてくれるような事業者が望ましいのです。

 

売上の上限が見えていれば、返済のリスクも家賃の停滞リスクも高いと判断されます。

 

一人サロンとはいえ、あくまでビジネスです。

 

売上や利益をどのように増やしていくのかという視点をもって、事業計画を立てましょう。

 

ビューティガレージは一人サロンのサポート実績が豊富です。ぜひご相談ください。

 開業無料相談に申し込む

 

サロン維持のための負担が増える

一人で稼ぐという点ではフリーランスも一人サロンのオーナーも変わりません。

 

両者の違いは、自分の店舗を持つかどうかです。

 

店舗を持つためには開業費用がかかるだけではなく、お店を維持するための費用があります。

 

例えば、以下のような費用がかかります。

 

・家賃

・器具、設備のメンテナンス(シャンプー台イス、エアコンなど)

・店舗の清掃

 

フリーランスとして面貸しサロンで働いていれば、利用する分だけの料金が発生するだけです。

 

しかし、サロンオーナーの場合はサロンを休みにしても家賃にカウントされています。

 

また、別のスタイリストと店舗を共有していれば、清掃などの負担も当然減ります。

 

一人サロンの場合は、清掃、洗濯、レジ締めなどすべての雑務を自分でやるため、労働時間も増えます。

 

この差は、お金にも返ってきます。

 

つまり店舗経営の場合には経費がかかるため、フリーランス美容師に比べて、利益が少なくなる可能性があるのです。

 

本来、店舗経営はフリーランスよりも負担は減ります。

 

なぜなら、複数のスタイリストが売上を作ってくれるし、様々な仕事を分担できるからです。

 

オーナーは経営者としての仕事に集中できるのです。

 

一人サロンでは人件費はかかりませんが、その分サロンを維持するための負担は重くなってしまうのです。

 

一人で稼ぐ環境としては、店舗経営はコストなのです。

 

長期的な視点が持ちにくい

一人サロンは基本的に引退はありません。

 

サロンを閉めるまでスタイリストとしてお店に立ちます。

 

開業者の中には「これまで以上にお客さまと寄り添いたい」という理由で一人サロンを始める人もいます。

 

しかし当然ながら、ずっと固定客と過ごせるわけではありません。

 

顧客もオーナーと共に年をとります。

 

どこかで通えなくなる日も来ます。

 

また、結婚、就職などライフステージが変わるごとに失客も発生します。

 

開業時には「固定客との時間を大切に」できるかもしれませんが、長く美容室を経営していく中で、いつかは別れがきます。

 

その時、減ってゆく客数を回復させるべきか、集客戦略を考えなければなりません。

 

あるいは、多くの顧客に恵まれ予約が取れなくなるほど人気になれば、どこかのタイミングでスタイリストを増やすなど、採用計画も考えなければなりません。

 

「ずっと一人でサロンをやっていくのか」

 

どこかのタイミングで考えなければならない日が来るはずです。

 

一人サロンにこそ事業の目的が必要

お客さまとの時間を大切にしたい、それだけであれば面貸しサロンでもよいはずです。

 

・売上や利益が小さく、大きな成長も見込めない。

 

・店舗を維持するための費用が大きい。

 

・固定客が失客するリスクもある。

 

こうしたデメリットを受け入れてでも、自分一人だけでサロンを経営したいと思いますか。その理由はなんでしょうか。

 

私は一人サロンに反対しているわけではありません。開業の目的は人それぞれだからです。

 

「売上や利益を増やしてお金を稼ぎたい」「地域で有名なサロンになりたい」「家族との時間を増やしたい」など、様々な開業の目的があります。

 

開業は自分の人生の目的を達成するための手段です。

 

ぜひ、店舗を作って一人で営業していく、その目的を考えてみてほしいと思います。

 

一人サロンで開業できそうか不安な方は、開業無料相談で資金計画や収支計画のシミュレーションも行います。→ 開業無料相談

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

関連記事

開業事例