23年開業を目指す人へ!美容室開業のパターンとその特徴を解説!

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美容室 開業

新年あけましておめでとうございます!昨年もビューティガレージ、ならびにSALONスターターをご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。

 

本年も、サロン開業者の抱える課題に真摯に向き合い、役に立つコンテンツやサービスを提供していきたいと思っております。

 

さて、毎年元旦に記事を投稿させていただいております。今年は美容室開業のパターン別にメリットとデメリットをまとめようと思います。

 

自分がどんな開業を目指すのか、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

一人サロン

ここ数年一人サロンの開業が増えてきています。

 

要因は様々考えられますが、開業相談では、①「スタッフ確保が難しい」 ②「人間関係に疲れた」が多い気がします。一人サロンについては別記事でも取り上げていますが、簡単に特徴を紹介します。

 

開業コストを抑えられる

一人経営なので、テナントは小さくても問題ありません。セット面2席、シャンプー1台のパターンが多いです。

 

10坪未満の物件のため、物件取得費用と家賃が小さくなります。

 

内装費は坪単価は上がるかもしれませんが、電気、ガス、水道のスペックも最低限の容量が確保できればそこまで高くはなりません。(資材や部品の価格は高くなっていますが)

 

自分の指名客がいれば経営は早期に安定

一人サロンの大きな固定費は家賃です。一人で営業するため、材料費や広告費は抑えられるので、80万円の売上があれば40~50万円営業利益が残るケースが多いです(あくまで営業利益であることに注意)

 

つまり、自分の指名客を引き継ぐことができ、個人の売上が80万円をコンスタントにとれていれば、早期に黒字化が期待できます。

 

自分が働けなくなると収入はなくなる

一方、大きなデメリットとしては、一人サロンの場合は自分が働けなくなったときのリスクが大きいという点です。

 

フリーランスも含め個人事業主は雇用保険が適用できませんので、万が一自分が病気になったり、事故にあったりしたサロンは休業。収入もゼロになります。

 

一方で、家賃の支払いや、借入金の返済は発生します。

 

その部分はしっかり保険をかけておく必要があります。また、そうしたリスクを家族と話し合うこともお勧めします。

 

高収入は望めない

もう一つ気をつけておきたいのは「儲けが増えない」点です。席数と施術者が限られているため、売上に上限があります。

 

したがって、一人サロンの経営は「いかに安定した利益を出し続けるか」を考える必要があります。つまり80万円をキープするために失客を減らし、失客した分を新規で補う。これが基本戦略になります。

 

一人サロン

 

参考記事:

最近希望者が多い「一人サロン開業」のデメリットについて考えてみました!

 

夫婦サロン

夫婦そろって美容師の場合、夫婦開業はよく相談を受けます。こちらも直近の記事で詳しく書いています。ここではいくつかポイントを簡単に整理します。

 

家族時間の質が向上する

夫婦サロンでは「家族との時間」を増やしたい人にはおすすめです。

 

家族の事情にあわせてシフトを組むことができます。交代で家に帰って家事・育児を行うなど夫婦サロンは家族のために働き方を変えられることがが魅力です。

 

他人を雇うよりもオペレーションが楽

一人サロンとは違って二人で施術に入れる分、売上を伸ばすこともできます。

 

集客状況に応じて、一方がもう一方のアシスタントという役割を果たすこともでき、業務効率が上がります。

 

スタッフを雇うとなると、シフト面、業務内容面など様々な制約があり、柔軟に対応できません。そのため、夫婦のチームプレーのほうが優れている面があります。

 

共倒れのリスクがある

こちらも一人サロン同様に働けなくなるリスクはあります。ただ、一人が離脱しても、もう一人が継続することができる点では安心です。

 

しかし、業績不振でサロン自体が閉店という場合は路頭に迷うことになります。ここでの対策として、サロンがうまく行かなくなった時には、どちらかが別の美容室で働くという選択肢を準備しておきましょう。

 

ローンが通りにくくなる

個人事業主の場合にローンが通りにくくなるケースもよくあります。

 

フリーランスになったら「車のローンが通らなかった」という相談を受けたことがあります。

 

開業して間もない時期は、オーナーの社会信用が下がってしまう可能性があります。

 

家族経営の場合には特に、家族に必要な大きな買い物に影響が及ぶリスクがありますので、開業前から家族の計画もよく練っておくべきです。

 

夫婦サロン

 

参考記事:

夫婦で美容室開業を目指す人へ!その魅力とリスクについて解説

 

20坪未満のオリジナルサロン

4席~5席のサロンです。開業者のなかでもボリュームとしては多いです。オーナーに加えて、スタッフ数名でスタートするパターンになります。

 

今後事業拡大を考えている人で、自己資金が多くない場合には、このパターンで開業します。スタイリストが数名いれば、黒字化するのも比較的容易です。

 

小さく始めて早めに利益を増やし、多店舗展開がしやすい規模です。

 

実際に開業サポートをしたお客さまも、この規模でオープンすると2年くらいで次の出店のご相談を受けることが多いです。

 

物件取得費、内装工事費、美容器具など設備にかかるお金が大きくなります。しかし、自己資金が200~300万円あれば、日本政策金融公庫から1,000万円を借入れてオープンできます。

 

中規模サロン

 

一方、注意点は運転資金です。

 

正規スタッフを雇うということは、給与を確約するわけですので、万が一に備えてキャッシュを準備しておく必要があります。

 

売上に占める人件費は大きく、一人サロンや夫婦サロンよりも出ていくお金に気を配る必要があります。

 

オリジナルサロン

 

20坪以上のオリジナルサロン

セット面6席・シャンプー3台以上の規模のサロンになります。

 

ある程度のスタート時から複数名のスタッフが雇用できて、かつ売上を作れる場合には、利益も相当大きくなります。

 

大きく儲けたい場合にはこうした諸条件を整えられればおすすめです。

 

デメリットとしては開業資金が大きくなることです。トータルで2000万円くらいは見ておくべきです。

 

20坪 美容室

 

また、スタッフの確保だけでなく、そのスタッフが辞めない工夫も小規模サロンよりも注意しなければなりません。

 

物件が大きいため家賃も高いです。そのためスタッフがやめてしまうと、かなりきつくなります。

 

規模の大きなサロンを開業する場合は、「一人にならないこと」が絶対です。

 

オリジナルサロン 開業

 

共同経営サロン

同じ美容室で切磋琢磨しているスタイリスト同士、あるいは美容学校の同期同士が、共同経営でサロンを開業するケースもあります。

 

足りない部分を補えあえる

大きな魅力は、仲間同士で強みを活かせることではないでしょうか。

 

サロンオーナー業務は多岐にわたります。したがってすべてが完璧にできる人はいませんし、向き不向きもあります。

 

共同経営の場合には、そうした経営業務を分担し、各々が得意な分野で活躍できるような仕組みが働きます。

 

接客が得意な人はお店のマネジメント、分析が得意な人はマーケティング、計数感覚に優れている人は経理、育成がうまい人は採用・教育など、複数のタスクを分担して行うことができます。

 

仲間意識が強く、組織としてまとまる

大きな夢を追うには、一人では不可能です。仲間がいてこそ、どんな場面でも頑張れるのではないでしょうか。

 

これまで一緒に働いたことのある仲間であれば、ビジョンも共有でき、お互いをよく知っているので、チームの組成もしやすいのもメリットです。

 

責任の所在があいまいになりがち

経営者には責任がつきものです。したがって、事業がうまく行かなかったり、トラブルが発生したりしたら、その責任を負わなければなりません。

 

しかし複数の人が代表になることで、各々が責任を感じられなくなる可能性がでてきます。とくに役割を分担すると「その問題は自分の責任じゃない」と思うようになります。

 

うまく行っているときは全員に利益が行くけれど、失敗の責任は取りたくないとなってしまうと、対処が遅れ、顧客からの信用も失いかねません。

 

共同経営の場合は、誰がどういったときに責任を負うのかをあらかじめ決めておきましょう。

 

仲間割れのリスクもある

仲間割れは、仲良しグループで開業する際に起こりえるリスクです。

 

私が相談を受けたケースではメニュー、教育、広告、給与など、経営のありかたをめぐって3人の対立が起こりました。

 

意思決定に時間がかかって事業を前に進められませんでした。結局、一番お金を出した人が実質すべてを決めてしまい、残り二人が離れていくことになりました。

 

サロン経営はあくまでビジネス。「仲間で楽しくできる」は幻想です。

 

人間関係は複雑です。

「よく知っていると思ってたけど、一緒にビジネスをやってみて彼の本性がわかりました」

 

仲間割れのリスクはどこにでも潜んでいます。共同経営をしていくうえでルールを作ることが必要です。

 

共同経営サロン

 

参考記事:

実例を紹介しながら解説!共同経営で開業するときに注意すべきポイント!

 

シェアサロン・モール型サロン

最近はシェアサロンでの開業を考えている人も増えています。これは一人サロンの一つの方法とも言えます。

 

モール型サロンも増えています。大きな違いは以下の通り。

シェアサロン 美容室モール
サロンと美容師の関係 フリーランス美容師が月額やスポットで利用料を支払う それぞれが独立したオーナー
報酬 利用料
「時間貸+売上歩合」
「時間貸のみ」
テナントの賃貸料
集客 美容師自身が行うため、顧客を抱えている美容師向け(最近ではシェアサロンによる集客支援などもある) 美容師自身が行うため、顧客を抱えている美容師向け(最近では美容室モールによる集客支援などもある)
メニュー内容・料金 自由に設定できる 自由に設定できる
代表事例 GO TODAY SHAiRE SALON、AIR SALON、EMANON、FBeauty、Qnoir、グランストーリーサロン THE SALONS、SOLA SALON STUDIOOS(米)

(出典:BeaUTOPIA『【多様化する美容室の形態】業務委託サロン、シェアサロン、美容室モール』

 

開業コストを抑えることができる

シェアサロン・モール型サロンの大きな魅力は、自ら店舗を作る必要がない点です。シェアサロンが提供する場所を時間単位で使わせてもらいます。(モールの場合は月額賃料が一般的)

 

さらにモール型サロンでは、サロン名だけでなく、好みのシャンプー台を設置したり、簡単なデザインに変更できたりして、ある程度内装の自由度もあります。

 

シェアサロン開業は、店舗を持たない開業ゆえ、初期費用を抑えられるのです。

 

働き方を自由に設定できる

シェアサロン・モール型サロンのメリットの一つは、自由な働き方ができる点です。

 

美容室での働き方はかなり時間も場所も拘束されていましたが、自分の裁量で労働時間を決められます。

 

また、複数のシェアサロンを利用することで、顧客に合わせて場所を変えることも可能です。時間だけでなく場所にも縛られない働き方ができます。

 

自分で集客しないといけない

「シェアサロンでの独立は儲かるのか」というところですが、我々の調べですと80万円の売上であれば40~50万円の営業利益が見込めそうです。

 

しかし、シェアサロンの場合、集客は原則自分(オーナー)がやらなければなりません。

 

したがって、すでに指名客がいて、SNSなどで自分のブランディングが得意な人は有利です。

 

業務委託サロンのように、お店が集客をかけて来た新規客をどんどんをこなすことで売上を作るようなタイプだと難しいとも言えます。

 

自然失客などが想定されますので、指名客だけに頼らず個人の力で新規集客できるかはポイントになります。

 

売上には限度がある

こちらも一人サロンと同じですが、一人でありかつ、空いた時間と場所で売上を作るため、大きく利益を出すには不向きです。

 

したがって、シェアサロンで開業する人の中には、資金をためてオリジナルサロンの出店を目指す人もいます。

 

シェアサロン

 

のれん分け・フランチャイズ

屋号サロン名やオリジナリティにこだわらないならば、すでに成功しているサロンのノウハウ・経営サポートを活用して開業するのも一つの方法です。

 

それがのれん分け・フランチャイズ開業です。

 

成功サロンのノウハウ・ブランドが使える

何といっても、成功しているサロンのノウハウやブランディングを使って営業ができるため、集客も売上も期待できます。

 

資金調達でも、融資担当者からすれば、そうした実績のあるサロンのノウハウを活用した開業は、オリジナルサロンよりも安心感が増します。

 

本部によるサポートも充実している

フランチャイズ本部のサロンからのサポートもメリットです。例えば、発注業務などを周辺業務のサポートや、採用など様々な形でサロン経営を助けてくれます。

 

オーナーとしての知識や経験がない中で、本部のサポートは貴重で、サロン経営の安定が期待できます。

 

ロイヤリティが発生する

フランチャイズもオリジナルサロンと同じで、オーナーが開業費を負担します。それに加えて、フランチャイズサロンのブランドやノウハウを使うことで、ロイヤリティが発生します。

 

その金額が時に負担になる場合もあります。フランチャイズ契約ではしっかり確認が必要です。

 

メニューや価格などサロン経営に制約がある

これはフランチャイズのメリットの裏返しですね。

 

フランチャイズサロンのノウハウや経営サポートを活用して運営していくため、自分のオリジナルメニューを提供したり、価格を変えたりすることはできません。

 

フランチャイズ・のれん分け開業は「自分のやりたいようにやる」ことを重視する人には向いてないです。

 

一方で「いかに利益をあげるか」だけに集中したい人は使いやすい開業手段だろうと思います。

 

のれん分け・フランチャイズ

参考記事:

リスクなしで開業? 美容室の「フランチャイズ」「のれん分け」を徹底解説

 

23年の開業はビューティガレージで!

美容室の独立には様々なパターンがあります。

 

自分がどんなタイプの開業をしたいかによって、注意すべきポイントも変ります。

 

もちろん、正解・不正解はないので、自分がやりたいことを目指しましょう。

 

ビューティガレージは今年で20周年を迎えます。創業時から数多くのサロン開業をサポートしてまいりました。一人ひとりにあわせた開業のプランもご提案いたします。

 

ぜひ開業無料相談にお問い合わせください。

 

 

●コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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