地に足の着いた堅実な計画が大切!一人サロン開業で失敗しないためのポイント

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一人サロン

前回、一人サロンで開業する際のデメリットについて書きました。デメリットとして挙げたのは以下の3つ。

 

1.規模が小さくビジネスとして魅力がない

2.サロンを持つというコストがかかる

3.長期的な視点が持ちにくい

 

こうしたデメリットにも関わらず、一人サロンでの出店は相次いでいます。最近サポートさせていただいている複数のオーナーも一人での出店を目指しています。

 

一人サロンを出店したオーナーたちは、上に述べたデメリットの部分を克服して繁盛しています。

 

今回は、一人サロンの開業で失敗しないためのポイントについてお伝えします。

 

※参照『最近希望者が多い「一人サロン開業」のデメリットについて考えてみました!

 

売上計画は実績に沿って作る

スタッフを雇う場合には、彼らの売上も含めて数字を予測します。

 

スタッフの指名客が来店することによる売上、手が空いたときヘルプに入ってもらい自分のキャパシティを広げることで得られる売上。

 

一人サロンはあくまで自分だけの売上を考えます。

 

自分の売上は他のスタッフの売上や新規客よりも予測が立てやすいというメリットがあります。

 

したがって、現サロンでの自分の実績をベースに売上計画を立てれば現実的です。

 

例えば、自分の月間売上が70万円なのに、収支計画において100万円という数字を出したら、融資審査では「過大評価している」と判断される可能性があります。

 

一人サロンのオーナーから話を聞いていると、極端に単価を上げない限りは、おおよそ自分のこれまでの実績に近しい数字になっているようです。

 

まずは現実的な売上を明らかにしましょう。

 

コストは家計支出も含めて考える。

一人サロンの売上には上限があるため、いかにコストを抑えて利益を出すかがポイントです。

 

融資担当者が一人サロンで注意しているのは、リターンではなくリスクです。

 

少額の利息(金利)でも確実に支払ってもらえるか、元金を返してもらえるかどうかが重要なのです。

 

したがって、一人サロンの開業の場合には、特に「利益」を意識して計画書を立てるべきです。

 

サロンのコストで注意すべきは家賃です。

 

人件費がない分、家賃を低く抑えられればそれだけ利益を多く残せます。

 

人件費がないからといって、少し高めの家賃でもいいと思うと利益は減ってしまいます。

 

原則、家賃は売上の10~15%を目指せるようにしましょう。

 

例えば80万円の売上を見込めるならば8万円~12万円が理想の家賃になります。

 

しかし、どんなに営業コストを抑えて営業利益が残ったとして、どれだけ手元に残るでしょうか。

 

例えば、営業利益を50万円確保できたとしても、実際には手元に35万円くらいしか残りません。

 

借入金の返済や、国民保険や年金保険といった社会保障を支払わなければならないからです。

 

残った現金から、住宅ローンや家庭の支出などをひいていくと、お金が貯まらないなんてことは十分あり得ます。

 

そうすると抑えるべきはサロン経費ではなく、家庭での支出の可能性もあります。まずは自分の家計簿を見直して、無駄な出費をなくすことも必要です。

 

サロンが確実に利益をあげ、かつオーナーが生活できる計画を、融資担当者に示さなければならないのです。

 

初期投資額をできるだけ減らす

いくら小規模と言えども物件取得費用や内装費はかかります。

 

したがって一人サロンでも十分な設備投資が必要です。

 

一人サロンでも1000万円以上かかるケースもまれではありません。

 

しかし、一人サロンでは「できるだけ減らす」ことを考えなければなりません。

 

一番の理由はサロンを一人で運営するリスクです。

 

オーナー自身が施術できなくなったら営業できません。

 

したがって万が一のための余力資金を残しておく必要があります。

 

また、借入れも少なくして、早めに完済できることが望ましいのです。

 

例えば運転資金をもっと増やしておきたくて、800万円の借入れを1000万円に増やす人がいます。

 

一人サロンでは、運転資金を増やすために第一に考えるのは、設備費用を抑えて800万円の借入金を600万円に落す工夫をすることです。

 

1000万円を10年で返済するよりも、600万円を7年で返済することを目標にすべきだと思います。

 

まとめ:利益を残して積み立てよう

一人サロンで失敗しないポイントは「確実に利益を残し、生活を回せる計画を立てること」に尽きると思います。

 

まずはコツコツとローリスク・ローリターンを狙いに行きます。

 

一人サロンは計画の実現性は高いのです。

 

スタッフもいないし、大量の新規客が不要なので、不確定要素が少なくてすむからです。

 

さらに、サロンコスト、生活コストを減らし、資金が貯まる仕組みを作ります。

 

また初期の投資額や借入額を抑えて、営業できなくなるリスクに備えます。

 

着実に少しずつでも利益を積み上げれば、その資金をサロンのメンテナンスや将来の採用に充てることができます。

 

一人サロンではまず小さくコツコツとサロンを育てていく心構えが何より大切なのです。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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