スタイリストの雇用がサロン繁盛のキモ!?開業時における人件費の考え方

公開日:2021/08/23  更新日:2021/08/23
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美容師 採用

美容室の運営でもっともお金がかかるのが人件費です。売上の40%が人件費にあたると言われます。

 

一方で、スタイリストの採用は難しくなっており、一人サロンでの開業が目立ちます。

 

なぜなら美容師人口が減っているから。こちらは新規美容師免許登録者数の推移です。近年では約18,000人の新卒スタイリスト候補を毎年25万件のサロンが取り合っています。

 

美容師免許登録者数

 

現在は、スタッフを集めることのほうが集客よりも難しいのです。したがって、集客よりもスタッフの採用と育成にお金と知恵と労力を使わなければなりません。

 

美容師もサロンを選ぶ時代

開業後、店舗を拡大していく場合にはスタッフの補充が欠かせません。

 

しかし、スタッフが集まらないため2店舗目を出せない、お客さまを断ってしまう、という状況に陥るサロンもあります。

 

人件費が大きくなることを恐れて、給与を低く設定したり、業務委託にしたりするとスタイリストが集まりません。

 

雇用されたい人は「自分が生活するための保障」が必要であり、業務委託で働きたい人は「どんどんお客さまを接客して、お金を稼ぎたい」。

 

特に、開業して間もないサロンに対しては、前者は十分な給与を支払ってくれない不安があり、後者は新規客が期待できない不満があります。

 

そうした葛藤の中でも、スタッフに十分な給与を払ってサロンも儲かる方法を考えなければなりません。

 

利益率から人件費を考える

法人でない限り、オーナーの所得は営業利益で決まります。したがって営業利益目標から逆算して、経費、売上目標を設定することは一つの方法です。

 

そこで利益率を使った設定方法を用いてみましょう。

 

営業利益率を20%に設定するとします。それ以外の原価、販管費に残り80%を割り当てます。

 

しかし利益率だけでは意味がありません。なぜなら額が小さければ、給与も小さくなるからです。

 

例えば、100万円の売上しか期待できないならば、営業利益20万円を確保するするために、人件費は40万円になります。

 

また、人件費が売上の40%になるということは、自分の所得よりも多くのお金を取られてしまうということでもあります。

 

したがって「営業利益率」と同時に「売上額」がとても大切になります。

 

額が大きくなると、スタイリストが満足する給与を出せるようになるため、徐々に人件費率を抑えていっても営業利益を残すようになります。

 

スタッフへの期待値から人件費を考える

原価や販管費は、売上を作るために使います。したがって、スタイリストが一人で作る売上に注目します。

 

人件費率を40%と設定したとしたら、人件費分の売上を期待するのは赤字になります。

 

給与を設定するときには、その給与額から期待値=スタイリストに求める売上を算出する必要があります。

 

例えば、給与として300,000円をスタッフに渡す場合には、

 

300,000 ÷ 40% = 750,000円

 

75万円の売上を期待するということになります。

 

そのスタッフにどこまでの売上を期待しているかを明らかにすると、スタッフへの評価目標を設定しやすくなります。

 

「やってもやっても給与が増えない。それどころか給与が下がってきた。お店は繁盛しているように見えるのに」

 

これは以前、開業サポートをお手伝いしたあるスタイリストさんの言葉です。昇給、昇進に明確な基準がないために、不満を持ち、独立しました。

 

給与=人件費はとてもセンシティブな問題です。一緒に働くスタイリストに公平性を与えるには、「あなたの給与では、ここまでの売上が期待されています」と伝えることが大切なのです。

 

自分の売上はサロン運営に使う

オープン当初は、オーナー自身が一番売上を作るサロンが多いです。

 

特に小規模サロンでは、売上の50%以上がオーナーによるものであることがほとんどです。

 

オーナーはサロン全体に責任を負います。つまり、家賃や広告費、その他の経費の支払いも自分が稼がないとサロンを継続できません。

 

スタッフにはとにかく、自分の給与とサロンの利益への貢献を促します。

 

もしスタッフが期待以上の売上を作れない場合には、その負担もオーナーが負うことになるからです。

 

スタッフの人件費分もオーナーが売上を伸ばしてカバーするしかなくなります。

 

理想は、スタッフは自分の求められる売上を作り、その他サロンの運営にかかる費用をオーナーの売上から支払えるようにしておくことです。

 

まとめ

スタイリストの数は減少傾向にあり、一方美容室の数は増加傾向にあります。当然、希少な人材を取り合う時代になります。

 

大手サロンの資本力には、小規模事業者はかないません。

 

スタイリストが魅力的に感じる「やりがい」や「安定性」をどうやって提供していくかをしっかり考えて、計画を立てなければなりません。

 

「給与」には納得感が必要です。

 

サロンの利益を出すために必要な人件費を算出します。スタイリストの給与額とセットで売上目標を設定します。

 

ここまでがんばれば、給与は増やしてもらえるという期待が働くインセンティブになります。

 

給与額の設定はオープン時には特に慎重に考えなければならないと思います。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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