失敗しない美容室開業のポイント:出店エリアと価格の設定方法
美容室を開業する際には、サロンのコンセプトや価格を決める上で、出店エリアの選定が非常に重要です。この記事では、出店エリアと価格設定についてのポイントをまとめました。
家賃相場
美容室の経営でまず考慮すべきは家賃です。特に小規模サロンでは、経費の中で家賃が大きな割合を占めます。家賃が高いエリアに出店すると、目標利益を達成するための売上(損益分岐点)が高くなります。
都市部や駅近エリアでは家賃が高いため、損益分岐点が高くなります。
地方・郊外エリアでは、家賃が安く、損益分岐点が低くなる傾向があります。
損益分岐点の出し方については、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:『経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方』
人口規模
家賃相場を考慮した上で、目標売上を達成するためには、客数を増やすか、顧客単価を上げる方法があります。
多くの人が集まるエリアでは、客数を増やすことが可能ですが、単価を下げる必要があります。一方、高い単価を設定すると、客数が減る傾向があります。
都市部や駅近エリア
アクセスが良く、人が多いため、見込み顧客も多くなります。多くの客数を取るためには、サロンの席数やスタッフ数を考慮した戦略が必要です。単価を安くして多く顧客を取っていく戦略の場合には、席数やスタッフ数が十分でなければ成り立ちません。
地方・郊外エリア
アクセスが悪く、交通量が少ないため、近隣住民をターゲットにします。見込み客の総数は少ないですが、単価を上げることで売上を達成できます。ただし、単価を上げすぎると客数が減るため、そうした場合にはエリアを広げる施策が必要です。
例えば、駐車場を用意してより広いエリアからの来客を想定します。
参考記事:『開業すべき場所はここ! 美容室の出店エリアパターンと攻略法』
属性
エリアごとの傾向を理解した上で、ターゲットとする顧客層の属性を調査することが重要です。
所得
地域ごとの所得格差が広がっているため、エリアの平均収入は価格設定において重要な要因になります。
高収入層が多く住むエリアでは単価を上げることが可能です。一方、低収入層が多いエリアでは、プチプライス戦略が適しています。
世帯構成
都市部では一人暮らしや若い夫婦が多く、郊外では家族や高齢者が多く住む傾向があります。出店エリアの世帯構成を調べ、ターゲットに合わせた戦略を立てましょう。
参考情報
① 各市町村の平均所得がわかる【日経ビジュアルデータ】
② 各地域の世帯数がわかる【政府の統計窓口e-stat】
競合情報
出店エリアでの競合サロンの情報収集も欠かせません。ホットペッパーなどを利用して、競合サロンのカット単価や人気メニューを調べましょう。
出店規模、雰囲気などが近いサロンをピックアップして以下の内容を調べてみましょう。
カット単価
そのエリアの平均カット単価を確認します。先行しているサロンが設定している価格は顧客に受け入れられている価格です。
動いているメニュー
そのエリアでどんなメニューが人気なのかを口コミなどで調査します。以下のような形で、口コミの内容をまとめてみましょう。
30代女性/会社員の口コミ
・選んだメニュー:カット、カラー、トリートメント ¥9,900
・満足ポイント:丁寧なカウンセリング、気持ちよいシャンプー
まとめ:開業で大事なのは出店エリアの特性
都市部や郊外、それぞれのエリア特性に合わせた戦略が重要です。以下の手順で戦略を立てましょう。
1.家賃相場から目指すべき売上を決める。
2.人口の多さと属性で単価を設定する。
3.その単価がエリアで受け入れられそうかを競合情報で確認する。
4.サロンの規模やスタッフ数を考慮して最終的なコンセプトや価格を決定する。
ぜひ、この方法を参考にしてみてください。
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●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。