融資審査担当者に刺さる! 収支シミュレーションの書き方~売上高編~

公開日:2018/10/02  更新日:2018/12/13
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収支計画

今回は、『経歴書&開業のきっかけの書き方』に続いて、融資担当者が最も重要視する、収支シミュレーションの書き方をお伝えします。

 

収支シミュレーションは、事業計画書に記載するためだけでなく、目標を達成するにはどれくらいの売り上げが必要なのかを開業前にシミュレーションすることで、美容室経営成功の分かれ道となるものです。

 

これから『売上高編』『粗利編』『営業利益編』の3回に分けて、収支シミュレーションの書き方をわかりやすく解説していきます!

 

今回は、1か月間の『売上高の設定の仕方』に関してです。

 

客数を設定する

技術客数

技術客数とは、カットやカラー、パーマなど、スタイリストやアシスタントが行う施術メニューを受けたお客様の数のことを指します。

 

技術客数の算出方法はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの方法を例に算出していきます。

 

【算出方法①】技術者1人あたりの月間技術客数から算出

月間技術客数は、

「スタイリスト人数×スタイリスト1人あたりの月間技術客数」

で算出されます。

 

スタイリスト1人が施術できる人数は、スタイリストのスキルやサポートするアシスタントの数によって変わります。雇用するスタッフの状況を踏まえ、スタイリスト1人あたりの技術客数を計算し、客数を算出します。

 

5名のスタイリストをかかえ、スタイリスト1人あたりの技術客数が150名というサロンの場合、月間技術客数は【750名】と算出されることになります。

 

【算出方法②】セット面から月間技術客数を算出

月間技術客数は、

「セット面数×セット面1台あたりの月間稼働数」

で算出されます。

 

お客様の平均滞在時間と、サロンの営業時間を考慮して設定していきます。カット比率の多いサロンではお客様1人あたりの滞在時間が短くなり、パーマや縮毛矯正比率が高いサロンでは滞在時間が長くなります。

 

また、セット面数から客数を算出する場合には、それだけの客数をこなすだけのスタッフの確保ができているのかを考慮しましょう。

 

セット面の数が10で、1台あたりの月間稼働数が75名というサロンの場合、月間技術客数は【750名】と算出されることになります。

 

店販客数

店販客数とは、サロンで販売しているトリートメントやワックスなどのホームケア商品を購入したお客様の数を指します。

 

月間店販客数は、

「月間技術客数×店販購入率」

で算出されます。

 

施術を受けたお客様のうち、何%のお客様が店販を購入するかをもとに算出していきます。

 

月間技術客数が750名で、そのうち店販購入率が10%というサロンの場合、月間店販客数は【75名】と算出されることになります。

 

客単価を設定する

技術単価

技術単価とは、カットやカラー、パーマなど、1人あたりのお客様が支払う料金のことを指し、メニュー内容・価格・利用比率から算出されます。

 

技術単価を決めるには、まずサロンのメニューを決める必要があります。

 

「メニュー金額×利用比率」で各メニューごとの技術単価が算出され、これをすべて合算したものが技術単価です。

 

・4,500円×90%=4,050円(カットの技術単価)
・5,500円×30%=1,650円(カラーの技術単価)
・7,000円×15%=1,050円(パーマの技術単価)
・2,500円×10%=250円(トリートメントの技術単価)

上記のようなメニュー金額、利用比率のサロンの場合、技術単価(合計)は【7,000円】と算出されます。

 

店販単価

店販単価とは、サロンで販売しているトリートメントやワックスなど、ホームケア商品を購入したお客様1人あたりが支払う料金のことを指し、サロンで販売する商品内容・価格・購入比率から算出されます。

 

「商品ごとの単価×購入率」で各商品の店販単価が算出され、これをすべて合算したものが店販単価です。

 

設定したターゲットのニーズに合わせて、どんな商品を取り扱うのかを決め、商品内容・価格・購入率を設定していきます。

 

・1,500円×50%=750円(シャンプーの店販単価)
・2,100円×50%=1,050円(トリートメントの店販単価)
・2,500円×5%=125円(ヘアスプレーの店販単価)
・1,500円×5%=75円(ワックスの店販単価)

上記のような商品単価、購入率のサロンの場合、店販単価(合計)は【2,000円】と算出されます。

 

売上高を算出する

客数と客単価が設定できたら、売上高の算出です。

 

まずは技術売上。

 

上記で算出した数字をもとにすると、

「技術客数×技術単価=750名×7,000円=5,250,000円」

となり、技術売上は525万円となります。

 

続いて店販売上。

 

上記で算出した数字をもとにすると、

「店販客数×店販単価=75名×2,000円=150,000円」

となり、店販売上は15万円となります。

 

合計すると、このサロンでは月間の売上高は

「技術売上+店販売上=525万円+15万円」

で【540万円】と算出されます。

このような手順で、自身が計画している美容室規模に置き換えて売上高を計算してみてください。

 

次回は『粗利の設定』を解説いたします。

 

「より詳しく収支シミュレーションの話を聞きたい!」という方は開業無料相談もご利用ください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:原田

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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