お客様にはどう映る? サロンオープンまでに考えるべき営業準備のコツ
美容室開業における最大の難関は資金調達です。事業計画書を作成し融資担当者にサロンのウリや収益可能性をアピールして、必要な資金を手に入れます。
この資金調達をクリアすると、サロンの内装デザインが待っています
。開業プロセスの中で一番楽しく、わくわくする瞬間です。内装が完成して美容器具を設置すればサロンは完成します。
しかし、当然ながらハコができたらオープンできるわけではありません。サロンを“営業”するための準備が必要です。
融資がおりてサロンが完成すると気が緩みがちですが、ここからが本番なのです。
営業はお客様の視点を考えることが欠かせません。今回は、“お客さまの行動”から見た、営業準備に必要なことをお伝えします。
目次
お店の存在を知る
せっかく新店オープンしても、認知されなければ誰も来店しません。また、お客さまがサロンを認知してから実際に来店するまでには時間がかかります。
まずは「ここにサロンがあるよ」とターゲットに知らせる必要があるのです。
巷には以下のような、お店の存在を知ってもらうための多種多様な媒体があります。
この中でどんな方法でお客さまに認知してもらえばよいでしょうか。それぞれの特性を理解したうえで利用しましょう。
チラシ・リーフレット
サロン周辺の住民に対してポスティングしてチラシを撒いていきます。
また、知り合いの飲食店などにリーフレットを置かせてもらうなどして、目に触れるようにすることが大事です。
一方で、なかなか効果が見えにくいのも事実です。あくまで認知度を上げるためと割り切って撒いていきましょう。
情報誌
典型的なのはフリーペーパーや地元の情報誌です。ペラペラめくって読み物としても楽しめます。
フリーペーパーは同業種がまとまって掲載されるため、比較しやすいメリットがあります。
地方の情報誌では、雑多な内容になっていて他の情報に埋もれてしまうデメリットもあります。
ホームページ
サロンの情報をたっぷりと掲載することができます。ブログのように更新できるので、スタイルやお客さまとのやり取り、スタッフの素顔などさまざまな側面をアピールできます。
デメリットは、ネット上で見つけてもらうのが難しいという点です。検索エンジンで上位表示されるかどうかで結果が変わってきます。
SNS
InstagramやFacebook、LINEなどを使って営業します。無料で利用でき、かつ利用者によって評判が伝播していくため、フォロワーが増えればブランディングにもなります。
開業前から、自分の固定客などにフォローしてもらったりすると有利かもしれません。
ポータルサイト
代表的なのはホットペッパーや楽天ビューティーです。ターゲットメディアと言われおり、美容室を探している人だけが利用するため、集客効率が高いのが特徴です。
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集客のポイントはターゲットから考えることです。ターゲットが利用する媒体、よく見る媒体とは何かを考えていきましょう。
⇒ ビューティガレージの集客サービス『サロン集客ナビ』
来店の予約をする
お客さまは行きたいお店を決めたら、行きたい日時を決めます。予約の枠が空いているかを知りたいので、何らかの方法でサロンにアプローチします。
電話での予約
事前にお客さまと話ができるので、臨機応変に対応できるのがメリットです。
たとえば「次の予定が詰まっているから2時間で出たい」や「肌が弱いからオーガニックなカラーを希望する」など細かな要望なども伝えることができます。
一方で、接客中は出られない、もしくは出にくいというデメリットがあります。電話が通じないということが頻繁に起こると失客します。
直接来店して予約
滅多にないですが、路面店で、かつ自宅に近いとなると、直接顔を出して予約を取るということもあるでしょう。そのため、看板などには営業時間や予約方法などを入れておくべきです。
ネット予約
ネット予約の特徴は、24時間いつでも予約が取れるということです。またレセプションの代わりとしてスタッフの労力を軽減してくれます。
ネット予約機能には要望を入力する欄なども設けられていて、電話と同等の役割を果たしています。
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多くは組み合わせですが、ネット予約と電話予約でバッティングしないように、予約台帳はネットに集約するなど一元管理するようにしましょう。
⇒ サロン向け予約システム『リザービア』
来店する
予約が済んだら実際に来店です。来店したら受付をしてそのまま席に案内される場合もありますし、しばし待つこともあります。
初めて来店されるお客さまは、サロンの雰囲気やにおい、サービスにも敏感です。以前通っていたサロンと無意識に比較をしています。
・店内ではどんなBGMを流すのか?
・飲み物のサービスをつけるか?
・雑誌を用意するか? それとも配信サービスを使うか?
以上はほんの一例ですが、来店したときに好印象を持ってもらえるにはどんな演出が必要か、どんなサービスを提供できるかを考えてみましょう。
⇒ サロンで使えるBGMアプリ『OTORAKU- 音・楽-』
カウンセリングを受ける
初めての方は、少し長めにカウンセリングを受ける場合もあるでしょう。カウンセリングにおいては、話した内容をカルテに書き込むのか、あるいは直接POSの管理画面に入力していくのかなども考えます。
また、デザインの提案ではヘアカタログを用意するのか、雑誌ですませるのかなども確認していきましょう。
特に、カウンセリングや提案に力を入れているサロンの場合、ここでお客さまの満足度が決まるケースもあります。
⇒ サロン専門印刷サイト『サロンプリント』
施術を受ける
施術に必要なものを忘れる人はまずいないでしょうが、オープン前はバタバタしていて、うっかり忘れるということもあるようです。
商材だけでなく、タオルなどの消耗品やはさみ、櫛などの備品もチェックしましょう。こまごましたものが多いので、事前にチェックリストを作成しておくのも一つの手です。
⇒ プロ専用通販ストア『ビューティガレージオンラインショップ』
代金を支払う
現代はキャッシュレスの時代です。2018年度、国内のキャッシュレス決済市場規模は約82兆円に達した※と言われています。
今後も決済額の規模が増えていくことを考えると、現金だけで商売をするのは大きな機会損失です。
主な現金以外の決済手段は、
・クレジットカード
・デビットカード
・電子マネー
が挙げられます。
「現金がなくてもカードがあれば買える」という心理を作り出すことは、サロン営業にとってとても大切です。価格に対する敷居が下がります。
また、最近では○○PayというスマホQRコード決済も増えています。以前の記事でも解説しましたが、クレジットカードが手数料を取るのに対して、PayPay やLINE Pay といったQRコード決済は現状手数料無料なのです(今後は手数料をとっていく方向ですが)。
現金以外の決済手段の導入は必須だと思います。
⇒ ビューティガレージの決済サービス『サロン決済ナビ』
※国内キャッシュレス決済市場に関する調査を実施(2019年) | 矢野経済研究所
リピートする/次回予約する
サロンを繁盛させるにはリピートが肝になります。多くのサロンが次回予約を取り付けようとしますが、すぐに決められない人もいます。
そうしたお客さまには、アフターフォローや定期的にお得な情報を提供することで、再来を喚起する必要があります。
またポイントカードやステップアップカードなどを用意して、金銭的なハードルを下げる工夫もしていきます。
本当のリピーターになるには「2回目以降の対応による」とも言われます。そう考えると次回来店が大切になります。
初回でのカウンセリング内容やスタイル、カラーなどを情報としてストックしておけば、次回のカウンセリングや施術もスムーズにいきます。
お客さまがサロンに何を求めているかを分析することも営業の一環です。
POSは顧客満足度を高めるために活用すべきツールです。情報管理だけでなく、お客さまに価値を提供できるために、うまく使っていきましょう。
⇒ ビューティガレージのPOS導入相談『サロンシステムナビ』
まとめ:事業の本質は営業
融資が決まって、内装、美容器具が揃えばオープンというわけではありません。ハコができただけです。
サロンの繁盛にはお客さまの来店が不可欠です。お客さまがサロンを見つけて、予約・来店し、次回また来てくれる。このサイクルを回すために必要なことを考え、準備することが大事なのです。
サロンが完成すればオープンまであと一息です。万全な営業体制を作りましょう。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。