メニューと価格はわかりやすく!明朗会計がサロン繁盛の第一歩
メニューと価格を決めるときには「わかりやすさ」が重要です。
サロンのメニューはシンプルのように見えて複雑です。
カットにはシャンプーとブローが含まれたり、含まれなかったり。長さによってカラーの料金が変わったり。
さらに、サロンの集客戦略として、メニュー価格を変動させることがあります。
クーポンによる新規客向けの価格、季節メニュー訴求のための価格など、通常メニューから割安にすることでサロンへの来店を促す施策として、プライシングは重要です。
せっかく訴求したいメニューやクーポンがあるのに、売上につながらない場合には、まずお客さまにとってわかりやすいかを考えてみるとよいでしょう。
組み合わせを想定する
多くのサロンは、単品メニューよりもいくつかのメニューを組み合わせて利用してもらいたいと思っています。
なぜなら単価が上がるからです。カットに来るお客さまにはカラーを、カラーで来るお客さまにはカットやトリートメントも利用してもらいたいはずです。
そのためには、例えばカット¥5,000とカラー¥7,000以外に、カット+カラーというメニューを作ります。
「カット5,000円+カラー7,000円=12,000円」というようにお客さまに計算させるのは不親切です。
それよりもカット+カラー¥12,000と書いたほうがわかりやすい。
さらに言えば、カット+カラーの組み合わせを¥10,000にすることで、カットもカラーも単品でやるよりもお得であることを示すこともできます。
ほとんどのサロンが実践していますが、できるだけ可能性のある組み合わせについてはすべて表示すべきです。
「%」を極力使わず価格で割引を提示
12,300円の20%OFFはいくらでしょうか?すぐに出てくる人はよほど計算ができる人でしょう。20%OFFだと9,840円になります。
つまり「%」表示にすると、お客さまに「いくらになるか」を考えさせることになります。
せっかく割引をしてお得感を出したいのに、すぐに価格がわからないのはお客さまにとってストレスです。
今は会計まで進んでいくと価格を計算してくれることはありますが、そうした手間をかけるよりも、ひと目でわかるに越したことはありません。
それゆえ本当に訴求したいメニューの割引は「%」の使用を控えましょう。
【カット・カラー・トリートメント】12,300円→9,840円
という書き方ほうが良心的です。
さらにいえば、9,840円と数字を刻むより10,000円にしたほうが明快です。
あるサロンではクーポンの%表示をやめて価格表示に変えただけで客数が伸びたといいます。
12,300円が10,000円まで安くなると、実に18.7%の割引です。割引率も結果として抑えることもできます。
メニューと価格はもれなく記載
例えばトリートメントです。
様々なグレードのトリートメントを扱うと当然価格が変わります。
その際、メニューの表記として、一番安い価格を書いて、「¥3,000〜」とするのはお客さまを迷わせます。
トリートメントに種類があるならば一つ一つ明記すべきです。
細かくなってしまう場合には訴求したい順番を決めましょう。
そこまで出ないメニューは少し小さく書くといったメリハリも必要です。
またトリートメントやカラーを複数扱う場合には、その特徴などがわかるように、ネーミングにも工夫が必要です。
有名な化粧メーカーの薬剤の名前を入れても、お客さまがわからなかったら良さは伝わりません。
専門的な言葉を消費者に理解できるように伝えるのも、プロとしての重要な能力だと思います。
お客さまにとって「わかりにくい」メニューや価格は売れない
「【カット・カラー・トリートメント】¥15,000がクーポンで20%引き」「さらに紹介キャンペーンで5%OFFも併用できます」
これだけを伝えられても、お客さまはその組み合わせメニューがいくらで受けられるのか、すぐにわかりません。
顧客を取り込むために様々な価格戦略で訴求していく一方で、その表示の仕方がわかりにくいことが多いです。
お客さまにとってわかりやすい価格、メニュー名をつけることは、集客にも大きく影響します。お客さまが計算したり、考えたりしないように親切な表示を心がけましょう。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。