【0から始める】自宅サロン開業に必要な6ステップと注意点

公開日:2022/02/02  更新日:2022/02/02
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自宅サロン

美容業界は競合が多く、レッドオーシャン市場であるのは周知の事実です。その理由の一つとしては、開業できる場所が多いことが挙げられます。

 

つまり、自分の技術があれば商売ができるため、自宅やマンションといった場所でも開業が可能なのです。

 

自宅でサロンを開業すれば、初期費用が抑えられるだけでなく、家事や育児などとの両立もできます。

 

しかし立地条件を選べないなど、さまざまなデメリットもあります。また、自宅で開業するにあたり、気をつけなければいけないこともあるのです。

 

この記事では自宅でサロンを開業するために必要な準備や、気を付けるべきポイントについて解説します。

 

自宅で開業できる美容系サロンの種類

独立してサロンを開業したいと考えた時、最近は選択肢として「自宅サロン」を考える方が増えています。

 

どのようなサロンなら自宅でも開業できるのでしょうか?技術を中心にしたサービスや、特別な機械を必要としないサービスであれば狭いスペースで開業ができます。

 

ネイルサロン

ネイルアートをはじめとする、爪のお手入れをしてくれるサロンです。

自宅ですることもできますが、出張型サービスでお客様のご自宅に伺うスタイルもあります。

 

ネイルサロンはネイルテーブルとチェア・ネイル用品一式があれば開業できるため、比較的開業しやすいといわれています。

大きなスペースがなくても問題ないため、自宅で開業するのにピッタリです。

 

エステサロン

エステティシャンとして自宅で開業する方もたくさんいます。

 

自宅でサロンを開業し、経営が安定してきたタイミングで店舗型サロンへと切り替える方も多いです。

 

エステサロンといっても、アロマテラピーやマッサージを取り入れたものなどさまざま。

 

施術メニューによっては資格や免許がなくてはいけないものもあります。開業にどのような手続きが必要なのか、しっかり確認してください。

 

まつ毛エクステサロン

まつ毛エクステサロンは、目元のケアやまつ毛エクステを含むサービスを提供するサロンです。

 

美容サロンの中でも、比較的開業がしやすいとされていますが、美容師免許が必要です。

 

当然、美容所登録も必要で、保健所による検査もクリアしなくてはなりません。

 

保健所職員による実地検査でチェックされる項目は、住んでいる地域によって多少基準が異なります。

 

チェックポイントの中には施術スペースの面積や、床や壁の材質なども含まれています。自宅であればなおさら、基準を満たしているかを確認する必要があります。

 

リラクゼーションサロン

いわゆるマッサージを行うサロンです。

 

パソコンでの作業や、在宅ワークが増えたことで肩こりや身体の不調を訴える方は増えています。

 

また癒しを求める方や、ダイエットやデトックスなど美にこだわる方も増えてきました。

 

そのためリラクゼーションサロンの需要も高まっています。

 

リラクゼーションサロンもエステサロンと同様、どのような施術を行うかによってさまざまなメニューがあります。

 

しかしあくまでもリラクゼーションサロンはお客様の身体・精神的な癒しを与えるもの。

 

治療行為ではないため、サービスの表記には十分注意してください。

 

美容室・理容室

美容室・理容室の場合、シャンプー台を設置する必要があるため自宅サロンは難しいように感じます。

 

特に賃貸の場合、工事ができないため、マンションサロンなどはハードルが高くなります。

 

しかし、自分が所有している建物であれば工事は可能です。自宅の庭にハコを作る。ガレージを美容室にする、など様々な方法が考えられます。

 

自宅でサロン開業するメリット

どの美容サロンに対しても、自宅で開業する方が増えています。どのようなメリットがあるのでしょうか?

 

主な2つのメリットについてご説明します。

 

費用が抑えられる

一番のメリットは費用を抑えられることです。

 

大きな差は物件の取得費です。

 

店舗を借りてサロンを開業する場合、敷金や礼金・保証金などまとまった初期費用が必要になります。また月々にかかる家賃もかかります。

 

自宅でサロンを開けば、賃貸に関わる費用は必要ありません。

 

また光熱費や電話回線・インターネット環境など、自宅と共有できます。そのため基本使用量など、最小限に抑えることが可能です。

 

自宅サロンの場合は、時間や面積に応じてプライベートとサロンの経費を分けることがあります。

 

家事・育児などと両立がしやすい

自宅でサロンを開業すれば、働き方を自分で決めることができます。

 

完全予約制であれば、小さなお子様がいたり介護をしなければならなかったりして、長く家を開けられない方でも仕事が可能です。

 

子供を保育園・幼稚園にあずかっている間だけ、営業する人もいます。

 

また、戸建ての場合、自宅の玄関とサロンの入り口が別にすることもできるので、家の中をきちんと分離できれば顧客にも迷惑をかけずにサービスを提供できます。

 

通勤時間をなくすことができるため、その時間をプライベートな時間に活用することもできます。

 

店舗で開業すると、どうしても店舗にいる時間が長くなり仕事に拘束されがちになりますが、自宅サロンなら家庭と仕事をうまく両立しやすくなります。

 

自宅でサロンを開業するデメリット

自宅サロンのメリットは簡単に言えば、費用を抑えられることと、自由度が高く営業できることです。

 

ではデメリットはどんなところでしょうか。一番大きなデメリットは、売上が小さくなる可能性があるということです。

 

立地条件を選べない

店舗を借りれば、駅近の物件やターゲットとなるお客様がたくさんいるエリアなどを選ぶことができます。

 

しかし自宅で開業する場合、場所を選ぶことができません。出店場所をお客様ではなく、自分に合わせるということです。

 

現在の立地でできることをしなければなりません。

 

また自宅ではサロンスペースや駐車スペースが限られてしまいます。

 

大きな店舗を構えたいと考えている方は、自宅では難しいかもしれません。規模を大きくすることは最初から目指せないのは理解しておくべきです。

 

仕事とプライベートの区別がしにくい

同じ建物の中に、仕事場とプライベートな空間があるため、オンとオフの切り替えが難しいです。

 

家事・育児と仕事の両立がしやすい反面、仕事の間も家庭のことをやらなくてはと考えてしまったり、プライベートな時間に仕事がきになったりと線引きが難しいことがあります。

 

またお客様の中には、非日常が感じられる癒しの空間を求めている方もいます。日常生活が感じられるものが垣間見えると、お客様のニーズを満たせなくなる可能性もあります。

 

自分のプライベートな空間と、仕事場がしっかり切り分けられるように工夫しなければなりません。

 

プライベートを仕事より優先できるがゆえに、集客など機会損失が増えることで、売上に影響します。

 

経費は抑えられるけど、売上が増えない。仕事とプライベートの境界線があいまいなため、機会損失が起こる。

 

こういうデメリットは想定しておきましょう。

 

自宅でサロン開業するまでに必要な6ステップ

自宅で開業する場合でも、しっかりと準備をしなければなりません。準備を怠ると「せっかく開業したのに経営がなかなか安定しない…」と悩みを抱えることにもつながります。

 

開業に備えるための6つのステップをご紹介します。

 

事業計画書を作成する

自宅サロンでは開業資金が抑えられるため、融資が不要の場合も多いです。しかしながら、「自宅サロンのデメリット」で開設した通り、売上・利益が大きくならないリスクがあります。

 

それゆえ、自宅サロンで最も大切なことは、目標を立てることになります。

 

「売上・利益がどのくらい欲しいのか」を明確にしましょう。趣味の延長でサロンを行うのか、しっかり事業として育てたいのか、本気で稼ぐつもりなのか、自宅サロンの開業動機も多様です。

 

まずは自分が目指すべきゴールを設定することから始めましょう。

 

また、自宅サロンの場合は、施術者の都合で立地が決まるため、そのエリアでどうやって集客するかを考える必要があります。

 

立地の調査やターゲットの設定から、サロンコンセプトやセールスポイントを決めていきましょう。

 

どの部屋を自宅サロンにするか決める

どの部屋をサロンとして使用するのか考えましょう。

 

お客様がどのような動線で動くのかも考慮しながら、部屋を決めます。

 

これから自宅を建てる方は、最初からどの部屋をサロンとして使うかも含めて設計しましょう。

 

マンションやアパートを借りるのであれば、管理会社や大家さんにサロンとして開業してよいかどうかなど確認しながら探しましょう。

 

資金を準備する

どれくらい資金が必要なのか、見積もりを依頼して具体的な費用について考えます。

 

店舗を借りないとはいえ、内装工事が必要になる場合やサロンに必要な備品をそろえるために資金が必要です。

 

また開業後、すぐに安定した売上を上げるのは難しいでしょう。半年以上のランニングコストもふくめて、資金は準備しておいた方が安心です。

 

自己資金のみでまかなえるのであればよいのですが、足りない場合は融資を受けたり、助成金や補助金を利用したりして資金を集めることもできます。

 

うまく活用して、サロン開店に必要な資金を調達しましょう。

 

必要な設備をそろえる

サロンに必要な設備をそろえていきます。

 

どの種類のサロンにするのか、どのようなメニューを提供するのかによっても必要なものは異なります。

 

また感染対策に必要な備品も忘れてはなりません。

 

アルコールや体温計、必要に応じて飛沫防止のアクリル板やフェイスガードも準備しましょう。

 

 店舗作り

資金調達ができ、無事に契約が完了したら、いよいよサロンを作っていきます。

 

内装工事を行うのであれば、専門の業者へお願いしましょう。

 

工事に関わる車両の出入りや、騒音などご近所さんへの配慮も忘れないようにしてください。

 

サロンに必要な設備は内装スケジュールに合わせて購入・搬入できるように手続きをしておきます。

 

営業準備

店舗づくりと同時に、お客様に来ていただけるように営業の準備も進めていきます。

 

お客様が予約し、来店・施術・支払いをするまでの流れをシミュレーションし、必要なものを考えましょう。

 

まずサロンを見つけてもらうため、チラシやホームページを作成しなければなりません。

 

ホームページは自分で作成することもできますが、コンセプトを反映したデザインの作成やセキュリティー面を考慮するとプロにお願いした方がよい場合もあります。

 

予約管理をするため、予約システムを導入する必要もあります。

 

ホットペッパービューティに掲載するのであれば、その手続きもしなければなりません。

 

待合室に置く雑誌や商品、どのようなBGMを流すのかも準備しておきます。

 

施術に必要な材料や商材・備品・消耗品の購入も合わせてしましょう。

 

お客様と施術者、それぞれの動線を考えて配置も考えます。

 

料金の支払いに必要なレジや、顧客管理システムやカルテの準備も必要です。

 

自宅サロンの開業に必要な費用

自宅サロンを開業するために必要な費用は、どのようなサロンを開くのかによって異なります。しかし大抵の場合、機材と材料費に30万円をプラスした額が最低限必要だと考えてよいでしょう。

 

内装工事を行うか、行うとしてもどのような内容にするかによっても、かかる費用は変わります。

 

しかし、自宅サロンで開業する場合にも、十分な開業資金があったほうがよいのは確かです。初期費用が抑えられたとしても、運転資金としてキャッシュを確保しておきます。

 

自宅サロンは「見つけにくい」「入りにくい」といった点で店舗サロンよりも不利です。

 

集客施策にはお金が必要です。開業してみて、なかなか儲からないとなったときに、お金が手元になければ、手が打てません。

 

開業費用を抑えられることばかりを見てはいけないのです。

 

自宅でサロンを開業するために気を付けるポイント

費用が抑えられ、比較的開業しやすい自宅サロン。

 

しかし開業する際、気をつけておかなければならないポイントがあります。

 

賃貸の場合は必ず契約を確認する

自宅が持ち家ではなく、賃貸マンションやアパートの場合、必ず管理会社や大家さんに問い合わせをしてください。

 

賃貸物件は借りる時に、「居住用」もしくは「事業用」で契約を結んでいます。

 

事業用でない物件でエステサロンやネイルサロンを開業した場合、契約違反になる可能性があります。

 

通常、普通に住むために借りた物件は「居住用」として契約されています。必ず契約書を確認し、貸主に問い合わせをしてください。

 

また分譲マンションの場合も、管理組合に確認が必要です。

 

管理組合の管理規約によって、営利目的の事業に対して制限されている場合があります。

 

家を建てる際にも注意

家を建てて、一部を事業に使う場合も注意が必要です。自宅の一角をサロンにするために、事業融資を受けた場合、その建物が事業用として登記されていなければなりません。

 

住宅用となっている場合には、融資が下りない場合もあります。

 

いくら自宅サロンは仕事とプライベートが分かれていないことが魅力だったとしても、社会的には、「事業用」と「居住用」が区別されるのです。

 

クレーム対応についても考える

サロンにはさまざまなお客様が来られます。

 

あらゆる対策をおこなっていても、トラブルに発展する可能性があります。

 

どのようにトラブルに対処するのか、あらかじめ準備をしておきましょう。

 

万が一に備えて、損害賠償保険などに入っておくとよいでしょう。

 

家族の了承を得ておく

自宅でサロンを開く際、家族の理解は不可欠です。お客様を自宅に招くことは、家族にとって全く知らない人が家にいることになります。

 

サロンの出入り口を共有するのであれば、生活感が表れないように家族にも注意してもらわなければなりません。

 

お客様だけでなく家族最優先で、必ずどのようなサロンを開くのか説明し、了承を得ておきましょう。

 

自宅サロンの開業もお任せください

サロンを開業するためには、さまざまな準備が必要です。

 

自分一人で行っていると「本当にこれで大丈夫なのか?」「不足はないか?」など疑問や不安も出てくるでしょう。

 

「一人では心配だ…」と感じている方は、ぜひ開業無料相談をご利用ください。経験豊富な開業コンシェルジュがサポートいたします。

 

まとめ

店舗でサロンを開業するよりも費用が抑えられ、家庭と仕事を両立しやすい自宅サロン。しかし、しっかり準備を行わないと、開業後に経営はうまくいかず困る可能性もあります。

 

また自宅サロンだからこそ、注意しなければならないこともあります。

 

必ず事前にしっかりと準備を行い、自分の理想となるサロンを自宅で開いてください。

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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