特に一人サロンの方は重要!個人事業主として開業することのリスクについて

公開日:2022/08/18  更新日:2022/08/18
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個人事業主 リスク

開業相談や開業サポートをしていると、当たり前ですがサロンの話が中心になります。

 

もちろん、開業して達成したい夢を実現するために、必死で働きお金をため、お店を作るために計画を立てているので、ぜひとも応援したいですし、前向きに開業準備を進めて欲しいと思っています。

 

しかし、開業について話をするときには、事業についてだけを考えてはいけないとも思っています。

 

「事業がうまくいかなくなる」ことに対しては、事業計画を立てるうえで対処すべきケースを想定しておけます。

 

一方で、自分の生活に生じるリスクもちゃんと考えておくべきです。

 

というわけで、今回は個人事業主として働くことのリスクについて解説します。

 

働けなくなったときの保障がない

まず、個人事業主の最大のリスクは、自分が働けなくなることです。

 

個人事業主であれ、会社員であれ、病気や事故で働けなくなるリスクは誰にでもあります。

 

しかし、個人事業主は、雇用されている立場とは違って、雇用保険や労災保険に加入できません。

 

雇用されている人であれば正規、非正規問わず、雇用保険、労災保険に加入できます。一方で、個人事業主は雇用保険に入れないため手当をもらえません。

 

さらに、一人サロンの場合、自分が入院している間、借入の返済や家賃の支払いなどに追われて、どんどん事業も厳しくなります。

 

例え、お店を閉めたとしても、失業手当はないので、就職先を見つけるまでの期間お金は入ってきません。

 

また、個人事業主は国民健康保険に加入します。会社員や共済組合の健康保険にはついている「傷病手当金」などの給付もありません。

 

特に一人サロンであれば、自分が働けない状態=収入ゼロになってしまいます。しかも働けなくなった時の保障が不十分なのです。

 

したがって個人事業主は、自分が働けなくなった場合を想定してリスク管理をしなければなりません。

 

民間の保険なども検討しましょう。

 

老後の年金が少ない

今度は、年金についてです。個人事業主は、会社員に比べて老後の年金が少なくなります。

 

会社員が、国民年金に加えて厚生年金が上乗せされるのに対して、個人事業主は国民年金のみです。会社員でいるほうが将来もらえる年金額が多くなります。

 

さらに、個人事業主の場合、扶養家族の年金にも影響があります。

 

会社員でいる場合には、扶養に入っている配偶者は「第3号被保険者」の扱いになり、保険料を支払う必要がありません。

 

しかし、個人事業主の配偶者にはこのような特例はなく、配偶者も国民年金の保険料の支払いが発生します。

 

例えば奥さまが専業主婦であっても、個人事業主である自分の扶養に入ることができず、奥さま自身もまた国民保険を支払うことになります。

 

つまり、自分自身が実質2人分の保険料を支払うことになるのです。

 

こうした将来のお金の不安については、公的基礎年金に加えて、上乗せできる仕組みを利用することで対応していきましょう。

 

例えば、確定拠出年金(iDeCo)に加入し、毎月少しずつ掛け金を支払って、将来もらえるお金を増やしていきましょう。

 

また、個人事業主、フリーランスのために創設されている「国民年金基金」や「小規模企業共済」なども積極的に活用しましょう。

 

ローンの審査ハードルが高い

上記で見てきたように、個人事業主として働くことは、会社員として働く場合よりも、公的な支援が受けにくいという側面があります。

 

それゆえ、社会的な信用にもマイナスの影響がでる可能性もあります。

 

例えば、フリーランスの美容師さんから「車のローンが通らなかった」という相談を受けることがたまにあります。

 

「収入の不安定さが原因」と言われたそうです。

 

会社員として働く場合と比べて、ローンが通りにくいのは事実だと思います。

 

(ローンが通ったフリーランス美容師の方もいますので、絶対に通らないわけではなさそうです。)

 

開業は周囲の人にも影響を及ぼします。一番身近な家族はなおさらです。自分が個人事業主になることによって、家族はどんな影響を受けそうかを想定することは非常に大切です。

 

「家を買いたい」と思っているならば、

 

住宅ローン額なども一人だと通らなそうだから(配偶者と)二人で負担することになるかもしれない。だったら、雇用されている間に家を買った方がいい

 

など、

 

リスクを認識したうえで、ちゃんと家族で話をして理解を得たうえで開業をしましょう。

 

開業するときには、自分や家族のリスクも想定しよう

開業の準備段階では、どうしても事業について考えることが多くなります。したがって、どうしても自分の身に起こるかもしれないことに目がいかないのも事実です。

 

「事業がうまくいかない」リスクは試算しますが、万が一自分が働けなくなった場合や、将来の老後の年金のことなどはどうしても忘れがちです。

 

病気や事故はいつでも誰にでも起こること。誰でも年を取り、働けなくなることもまた必然。

 

個人事業主になるときに、自分にそして家族に起こりうるリスクも理解し、家族と話し合っておきましょう。

 

これから開業されるかたは、ぜひ事業計画だけでなく、ご自身と家族についても考えていただきたいと思います。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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