【保存版】美容室の開業費用と資金内訳を解説します!~人気エリア・小規模サロン編~

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美容室 開業 東京都

美容室の開業の相場はある程度決まっていますが、サロンによって差があるのも事実。

 

小さいサロンでもお金がかかる場合もあれば、大型サロンでも居抜き物件を使えば費用を抑えることも可能です。

 

そこで今回は、実際にサポートしたサロンの事業計画書をもとに、その意図や融資においての注意点などを解説します。

 

定期的に、様々なサロンの事業計画書を紹介できればと思っています。

 

ビューティガレージが美容・サロンの開業をトータルサポートいたします。

まずは気軽に、ご相談ください。

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サロンデータ

今回紹介するサロンのデータです。

 

サロン情報

 

  • 東京都の自由が丘エリアで出店予定。
  • 物件は路面店でスケルトン。
  • 大きさは11坪(セットイス3、シャンプー台2)
  • 家賃は管理費込みで22万円。

 

オーナーとスタイリスト1名の合計2名でオープンします。どちらも同エリアで美容師としてキャリアを積んできました。

 

そのため見込み客も十分です。

 

規模は小さいですが、坪単価2万円の物件ということで、開業費用は相場より高くなることは想定できます。

 

下は、創業計画書の7「必要な資金と調達方法」です。

美容室 開業 事業計画書

 

このサロンの資金計画は以下の通りになります。

 

  • 設備資金:892万円
  • 運転資金:408万円

 

合計で1,300万円でサロンを作る計画になります。

 

参考記事:『美容室開業に必要な費用内訳と資金調達について

 

設備資金の内訳

では、設備資金から少し細かく見てみましょう。

 

店舗保証金

店舗保証金は物件取得時に、貸主に預ける敷金になります。家賃が22万円(税込)なので、5ヶ月分です。

 

人気エリアでは、保証金は6ヶ月~10ヶ月とることも多いので、比較的費用を抑えられているといえます。

 

内装工事費

内装は、ビューティガレージのデザイン会社を選んでいただきました。デザイナーが現地調査をして出した見積もりです。

 

550万円(税込み)になります。坪単価にすると50万円。

 

要因は色々ありますが、この時期は原料費、運送費が上がっているので、想定していた金額でした。

 

打ち合わせを重ねて、デザインやレイアウトにもオーナーの要望を組み込んでおり、これ以上の大幅な増減はない状態です。

 

美容器具費

こちらは195万円です。

 

セット面3,シャンプー台2の規模の割には少し高いと思います。少し詳細を記載しておきましょう。

 

美容器具 見積もり

 

単価の高い商品を選定したこと、そして、デジタルパーマやヘアスチーマーを導入したことで価格が上がってきました。

 

シャンプー台やスチーマーは、サロンの訴求するメニューや価値を出すためにこだわりました。サロンのセールスポイントにかかわるものですので、妥協はしません。

 

相場より高くても、しっかり売上に貢献するための投資として、この金額で決定しました。

 

設備

美容器具以外にも設備費用はかかります。

 

内装デザインにある程度インテリアの要素を組み込んでいますが、それ以外にも準備すべきものがあります。

 

多くは電気機器になりました。

 

設備の見積もり

 

融資前の時点で必要と思われるものを書き出して、見積もりを取りました。

 

最近は雑誌の代わりに電子書籍を導入するサロンが多いです。そのためタブレットを購入するケースが増えています。

 

このオーナーは、安価なものでも問題なかったのですが、「自分が使っているもの」ということでiPadを選んでいます。

 

設備資金には漏れがあることも想定しておく必要があります。掃除機や空気清浄機、あるいは本棚など開業準備を進んでいくと、いろいろと出てきます。

 

そういう場合には、当然残ったお金で買うことになります。そういう意味でも余裕資金を持っておくべきです。

 

参考記事:『いつ、いくら出ていくのか!開業と経営を左右する「お金の流れ」に注意しよう

 

運転資金

次に運転資金を見ていきましょう。日本政策金融公庫の融資審査では、運転資金の見積もりは必ずしも求められません。

 

ただし、運転資金をどのくらい使って、どのくらいを残すかを決める必要はあります。

 

まずはオープン前にどのくらい使うか、について細かく見ていきましょう。

 

商材仕入 

オープンまでにそろえておきたい材料・商品や、タオルのような消耗品、ハサミのような備品を予想して計画を立てます。

 

オープン後に揃えたり仕入れたりもするので、そこまで正確には見積れないです。この場合だと、初期の売上に対して少なく見積もっている印象を持ちます。

 

広告宣伝費

これも、あくまでオープン前に準備する広告関連の費用を算出します。

 

例えば、ホットペッパーのようなポータルサイトの利用料はサロンがオープンしてから発生する場合が多いので「オープン前に使わない」ものです。

 

ではオーナーは何を準備しようと考えていたのでしょうか。このオーナーはある程度見積もりをとっていましたので、内訳がよくわかります。

 

広告宣伝費

 

ホームページは無料のサービスを使う予定ということで、おおよそ30万円が上記のように振り分けられます。

 

広告宣伝費は何を利用するかによって費用が大きく異なりますので、融資の有無にかかわらず、見積もりをとったほうがよいでしょう。

 

チラシを業者にポスティング依頼する場合には、また別途お金がかかると想定できます。

 

その他物件取得費用

設備資金では店舗保証金がでましたが、それ以外にも物件契約時に支払うものがあります。

 

その支払いはすべてオープン前に支払うことになる運転資金です。物件取得費用はどんなものがあるがあるでしょうか。

 

物件取得費用

 

多くのケースでは、すべて家賃1ヶ月分が求められますが、今回は礼金が2ヶ月と、保証会社への支払いが少し安かったこともあり105万円になりました。

 

運転資金

最後にオープン前に準備しておく現金を見ておきましょう。

 

運転資金 253万円を用意する計画です。

 

この中には、計画以上にお金がかかった場合に支払える余裕資金と、オープン後のサロン経営に備えた資金を含んでいます。

 

注意しなければならないのは金額です。

 

創業計画書の8.事業の見通しを見てみましょう。

収支見通し

 

このサロンはオープン初月から大きな利益を出せると想定しています。

 

初月の経費は毎月82万円。オープン後万が一、計画通りにいかないとしても、約3ヶ月くらいは支払いができる金額になります。

 

また、私たちコンシェルジュ室は、固定費の3~6ヶ月分を準備することをお勧めしています。このオーナーの場合も家賃・人件費52万円の5ヶ月分にもなりますので妥当性はあります。

 

しかし、注意も必要です。

 

創業当初から大幅な黒字を見越している場合「運転資金を持ちすぎではないか」と指摘されることもあります。

 

「すぐに黒字化するなら運転資金を減らして、その分設備資金に当てたらどうですか」

 

そうすると借入額を減額される可能性もでてきます。

 

こうした指摘に応えられるようにしておきましょう。もしくは想定利益を低く設定する必要もあります。

 

自己資金

次に自己資金に注目しましょう。自己資金150万円に、親族からの支援金150万円を加えた300万円で、1000万円の借入れを申込みました。

 

そうすると、自己資本比率は300万円÷1300万円=23.07%

 

ビューティガレージでは自己資本比率を25%~30%を推奨しておりますので、少し届かない数字になりました。

 

自己資本比率

 

今回のケースは指名客が多く見込め、単価も高いので、堅めに読んでも利益が出ると判断されたため満額で通りました。

 

参考記事:『【美容室開業のリアル】開業者の自己資金と借入金

 

まとめ

今回のサロンのケースでは、東京都内の人気エリアで開業したサロンを取り上げました。

 

トータルで1,300万円かかりましたが、設備資金だけみると900万円未満でした。

 

オープン月から利益も十分に見込めたため、900万円の借入れでもオープンできたかもしれません。

 

スタッフを雇用している以上は、万が一に備えて十分な運転資金を持っておきたいという考えから、少し高めの設定資金計画になりました。

 

ぜひ、ご自身の計画の参考にしていただければと思います。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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