「融資は悪」の誤解?個人エステサロン開業、資金調達の真実

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個人エステサロンの開業を考える際、多くのエステティシャンが「融資は借金なので悪であり不要である」という誤解を抱きがちです。

 

また、コツコツと自己資金を貯めず「夫が資金を持っている」「資金協力者がいる」といった個人的な支援に全てを頼るケースも少なくありません。

 

しかし、このような考え方や現状がサロンの成長を阻む要因となることがあるのをご存知でしょうか?

 

当部署の観測データによると、開業相談に来るエステティシャンのうち、融資に挑戦する人はわずか1~2割に過ぎません。

 

なぜ、安定的な事業成長に不可欠な融資が敬遠されがちなのか、その背景と現状、そして真の可能性を探ります。

 


 

「好き」を「確かな事業」へ育てる視点

 

当部署の観測データでは、エステサロンの開業を検討される方の中には、次のような傾向が見受けられます。

  • 長期間のブランクを経ての再チャレンジや、スクール卒業後すぐに開業される方
  • これまでの職種とは異なる分野から転職される方
  • 土日のみなど自身のライフスタイルに合わせた開業を希望される方

 

「好き」を仕事にすることは、強いモチベーションの源泉となります。

 

しかし、それが「事業」としてお客様に価値を提供し、継続的に成長していくためには、多角的な視点が大切です。

 

具体性のある事業計画

「ホットペッパーに掲載しておけば大丈夫」というお気持ちだけでは、具体的な収益予測や運営計画が不足しがちです。

 

市場分析、顧客ターゲット、競合との差別化、そして具体的な収支計画といった、事業の全体像を示す計画書は、自身のビジョンを明確にする上で非常に役立ちます。

 

事業運営の独立性

ご家族のサポートや個人的な協力者からの資金提供は、心強い支えとなります。

 

しかし、事業が独立して成長していくためには、資金面でも安定した基盤を自身で築くことが望ましいです。

 

事業融資の検討は、外部からの客観的な評価を得る機会となり、事業の信頼性を高めることにもつながります。

 

実績と経験の積み重ね

「スクールの先生に教わった通りの技術や機器・商材で開業すれば経営は上手くいく」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、技術や商材の知識は確かに重要ですが、それだけでは経営は成り立ちません。

 

経営者としての実務経験や顧客獲得のノウハウは、サロン運営を安定させるために不可欠です。

 

スクールで学ぶのは「技術」や「知識」であり、「経営」はまた別のスキルなのです。

 


 

業界全体の価値を高めるためのプロとしての「準備」

 

エステ業界が「誰でも始めやすい」という魅力を保ちつつ、「高い専門性を持つプロフェッショナルな事業」として社会的な評価を一層高めるためには、私たち一人ひとりの取り組みが重要です。

 

詳細な事業計画の策定

「こんなサロンにしたい」という想いを、具体的な数字や戦略に落とし込む作業は、開業後の安定経営への第一歩です。

 

市場調査から資金計画まで、綿密に計画することで、自身の事業を客観的に見つめ直すことができます。

 

経営知識の積極的な習得

施術スキルだけでなく、マーケティング、財務、顧客管理といった経営に必要な知識を学ぶことは、サロン運営をよりスムーズにし、お客様へのサービス向上にも繋がります。

 

資金調達の選択肢としての融資活用

自己資金や個人的なサポートに加えて、事業融資を検討することは、事業の信頼性を高めるだけでなく、安定した運営基盤を築く上で有効な手段です。

 

融資のプロセスを通じて、自身の事業計画をさらに磨き上げることができます。

 

エステサロンが、お客様の美と健康を支え、地域社会に貢献する「確かな事業」として、その価値を広く認められるよう、私たち一人ひとりが「プロ」としての準備と意識をもって、サロン運営に取り組んでいきましょう。

 

補助金についての考え方やリサーチ

補助金を「もらえるお金」として認識し頼りにする方が多いですが、実際には全国区で募集中の補助金には開業者が対象者になるものはほぼありません。

 

また融資のように採択されれば先に振り込まれると考えている方も多いですが、実際には支払った費用を提示してから補助される(該当額が振り込まれる)ことが大多数です。

 

補助金は事前にリサーチしたほうがいいですし、採択されれば開業後の経営の大きな助けになりますが、補助金ありきで開業するかを決めるのではなく、まずは自身の資金力で開業できるかを考えたほうが良いでしょう。

 

 


 

まとめ:融資を活用し、エステサロンを「事業」として成功させるために

 

個人エステサロンが成功し、安定した事業として成長していくためには、資金計画の重要性を再認識する必要があります。

 

融資は単なる資金調達手段ではなく、事業の実現可能性を外部に示す「信用」の証でもあります。

 

エステサロン開業においても、個人的な資金源に依存するだけでなく、しっかりとした事業計画書を作成し、金融機関から融資を受けて開業することをおすすめします。

 

事業計画書は、自身のビジョンや戦略を明確にするだけでなく、外部からの信頼を得るための重要なツールです。

 

融資を受ける過程で、自身の事業を見つめ直し、課題を洗い出す機会にもなります。

 

安易な気持ちや自己流の運営に頼らず、プロフェッショナルとしての覚悟を持ち、計画的な資金調達を行うことが、個人エステサロンを「趣味の延長」ではなく「確かな事業」として成功させるための第一歩となるでしょう。

 

無料相談のご案内

 

ビューティガレージの開業プロデュースではエステサロンのサポート事例も多数ございます。

 

あなたのエステサロン開業の第一サポーターになれれば幸いです。

 

ぜひ一度開業無料相談をお申し込みくださいませ。

 

 

●文/コンシェルジュチーム:野呂

 

参照:

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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