現金じゃなくても大丈夫!?美容サロン開業における「金融資産」活用術

サロン開業を志す皆さまにとって、開業資金の準備は最初の大きな壁です。
自己資金は融資審査の重要な判断材料になりますが、「現金」として貯蓄をすることだけがすべてではありません。
今回は、日々の生活で形成される現金以外の資産を、どのように開業資金として活用できるのか、その実態を掘り下げて解説します。
参照記事:その認識ちょっと古いかも?!自己資金の考え方とポイント
目次
自己資金として認められる資産、認められない資産
金融機関は、開業資金の自己資金を評価する際、「資金の出所が明確で、計画性を持って形成されたものか」を重視します。
自己資金と認められる可能性があるもの
解約返戻型の生命保険
積み立て型保険(終身保険など)は、契約を解約することで「解約返戻金」を受け取ることができます。
これは計画的な貯蓄とみなされるため、自己資金として評価されやすい資産です。
ただし、注意が必要な保険もあります。
例えば、米ドルやユーロといった日本円以外の通貨で運用される「外貨建て保険」や、株や債券で運用する「投資性の高い保険」は、為替や市場の変動によって、解約返戻金の金額が大きく変動するリスクがあります。
解約に時間がかかるものもあるので、融資実行までの支払いスケジュールを考慮して計画的に手続きを進める必要があります。
株・投資信託などの金融資産
証券口座で運用している株式や投資信託は、資産形成能力として高く評価されます。
長期にわたってコツコツと積み立ててきた資産は、経営者としての計画性や資金管理能力を示す良い材料になります。
ただし、株価や基準価額は常に変動するため、融資申請のタイミングによっては評価額が下がるリスクも考慮しなければなりません。
暗号資産(ビットコインなど)・FX(為替)
これらの資産も自己資金として認められます。
しかし、金融機関からは投機(ギャンブル)性が高いと見なされ、自己資金形成の計画性を疑われるリスクがあります。
基本的にはこれらの資産をメインに自己資金を形成するのは、融資審査で不利に働く可能性があるため避けるべきでしょう。
(メインではなくリスク分散目的の補助とするなら問題ないです)
自己資金と認められないもの
不動産や車などの現物資産
不動産や車などの現物資産は、売却して現金化しない限り、自己資金として認められません。
融資審査は、開業に必要な資金を「今、用意できるか」を重視するためです。
これらの資産を開業資金として活用する予定がある場合は、融資申し込み前に売却手続きを進めておく必要があります。
iDeCo・401k(企業型確定拠出年金)
これらの年金制度は、老後の生活資金を形成するためのものです。
原則として60歳まで引き出しができないため、開業時の自己資金としては認められません。
また、たとえ解約できたとしても、税制上の優遇措置の恩恵を受けられなくなるデメリットが大きいため、安易な解約は避けるべきです。
自己資金記入の注意点と融資のタイミング
事業計画書に記載する自己資金の金額は、あくまで現金化された金額です。
金融資産を持っている場合、その評価額をそのまま自己資金として計上することはできません。
ただし、融資の実行までに100%現金化できる確実な見込みがあれば、その金額を自己資金として記載するのは問題ありません。
例えば、1,000万円分の投資信託を保有していて、そのうち300万円を開業資金に充てる場合、計画書には「自己資金300万円」と記載します。
その後、融資実行のタイミングに合わせて300万円分を売却して現金化します。
物件取得費用などは融資実行前に現金で支払うことが多いため、物件が決まった時点で現金化を進めておくとスムーズです。
開業資金を賢く増やす「NISA」の活用
近年、美容サロンの開業準備を進める人々の間で注目されているのがNISA(少額投資非課税制度)です。
NISAは、株や投資信託などの運用益が非課税になる国の制度で、長期的な資産形成に非常に適しています。
NISAでどんな商品に投資できるかは、国が定める厳しいルールによって決まっています。
具体的には、金融庁の審査を通過し、長期の積立・分散投資に適していると認められた商品だけが対象となります。
たとえば、上場廃止のリスクが高い株式や、短期間で運用が終わる投資信託、高リスクな金融商品(デリバティブ)などは、NISAの対象外とされています。
これにより、一般的な投資よりもリスクを抑えて資産形成に取り組むことができます。
参照記事:金融庁NISA特設サイト
例えば、コロナ禍頃から「いつか開業したい」という目標を掲げ、NISAを活用して毎月コツコツと投資信託を積み立ててきた人がいます。
開業を決意した時点で投資した元本が、市場の成長とともに30%以上も増え、結果的に自己資金を大きく増やすことができた!というケースも実在します。
このように、NISAは開業資金を増やす有効な手段となりますが、注意点もあります。
株式や投資信託は価格が変動するため、必要な時期に評価額が下がってしまうリスクがあることです。
特に、一度にまとまった金額を投資する「一括投資」は、価格変動の影響を大きく受けてしまうため、タイミングやリスク分散を十分に考慮する必要があります。
まとめ:現金と投資のバランスが成功への鍵
美容サロンの開業資金は、現金と投資資産のバランスを考えることが重要です。
サロンスターターとして推奨するのは、まず生活費の1年分は現金で手元に確保することです。
開業後も予期せぬ出費や売上が安定しない期間に備えるために、十分な現預金を持つことは経営者の安心につながります。
その上で、長期的な視点で資産形成を行うことは大いに推奨されます。
特にNISAのような非課税制度を活用すれば、効率的に開業資金を育てることが可能です。
自己資金 = 現金 + 換金性の高い金融資産(解約返戻型の保険や投資信託等)
この考え方を持つことで、ただ漠然と貯蓄するだけでなく、計画的に自己資金を増やし、融資審査を有利に進めることができます。
現金以外の自己資金の可能性を知り、賢い開業準備を進めましょう。
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●文/コンシェルジュチーム:野呂
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。