マニュアル本には載ってない!美容室開業者のリアルな疑問を解決!

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美容室開業に向けて情報収集を進めていると、どう調べても出てこないイレギュラーな疑問にぶつかることがありますよね。

 

今回はそんな、なかなか解決策が見つからないお悩みを深掘りし解決へと導きます。

 

 公庫融資が落ちてしまったら次はいつ受けられるの?

 

日本政策金融公庫の融資は、美容室開業にとって非常に重要な資金源です。

 

もし一度審査に落ちてしまっても、再申請は可能です。大切なのは「なぜ落ちたのか」を正確に把握し、その原因を改善すること。

 

原因究明と改善期間: 融資が否決される理由は多岐にわたります。

 

公庫は、残念ながら詳細な否決理由を教えてくれないことも少なくありません。

 

そのため、申請者自身で「どこに不備があったのか」を推測し、改善していく必要があります。

 

「申請内容の不備」には以下のようなケースが考えられます。

 

事業計画の説得力不足

 

ターゲット層、競合との差別化、具体的な集客戦略、収益見込み、資金使途、返済計画などが漠然としていたり、数字の根拠が乏しかったりする。

 

自己資金の不足・形成過程の不透明さ

 

開業資金に対する自己資金の割合が低すぎる、あるいは自己資金として申告した金額が直前に急に準備されたもので、タンス預金など貯蓄の裏付けが不明瞭と判断された場合。

 

経営者の経験・スキル不足: 美容室経営に関する具体的な経験や、事業を成功させるための知識・スキルが不足していると判断された場合。

 

例えば、技術はあっても経営知識や素養が全くない、といったケース。

 

信用情報の問題

 

過去のクレジットカードやローン返済における延滞、携帯電話料金の滞納など、個人の信用情報に傷がある場合。これは最も直接的な否決理由の一つです。

 

面談での印象

 

事業への熱意や計画の理解度が不足している、質問に対する回答が不明瞭であるなど、面談時の印象がマイナスに作用した場合。

 

提出書類の不備・不足: 必要な書類が揃っていない、記載内容に誤りがある、整合性が取れていないなど、基本的な書類のミス。

 

公庫は、一度落ちた場合でもすぐに再申請を受け付けないのが一般的です。

 

これは、申請内容に不備があった場合、その改善に一定の時間が必要だからです。

 

一般的には、最低でも3ヶ月から半年程度は期間を空けるのが望ましいとされています。

 

この間に、上記のような問題点を推測し、改善策を講じるための具体的な行動が求められます。

 

より精度の高い事業計画書を作成したり、自己資金を積み増したり、関連資格の取得や実務経験を積む、信用情報の改善に努めるなどの具体的な行動が求められます。

 

信用情報の確認: 個人の信用情報に問題があった場合は、その解消に時間がかかることがあります。

 

自身の信用情報を確認し(CICやJICCなどの信用情報機関で開示請求が可能)、必要であれば、過去の金融取引における滞納や延滞を解消する努力が必要です。

 

参照記事:信用情報ゼロ!? 自己資金&事業計画が完璧でも融資が否決される理由

 

参照記事:信用度が丸裸に!? CIC窓口へ情報開示請求に行ってみた!

 

自分や計画に問題がなくても物件や貸主、造作譲渡元のオーナーに悪い情報があると融資が落ちちゃう?

 

残念ながら、自分自身の信用情報や事業計画が完璧でも、物件や貸主、あるいは造作譲渡元のオーナーに関するネガティブな情報が融資審査に影響を与える可能性は十分にあります。

 

公庫は、融資の対象となる事業全体のリスクを評価するため、多角的な視点から情報を収集します。

 

物件の過去のトラブル: 例えば、その物件で過去に倒産した店舗が多かったり、風評被害があったりする場合、公庫はその物件での事業継続性に懸念を抱く可能性があります。

 

また、消防法や建築基準法に違反がある物件の場合、開業後に予期せぬトラブルが発生するリスクがあるため、融資が難しくなることがあります。

 

貸主の信用情報: 貸主が過去に金融トラブルを起こしていたり、不動産関連で問題のある経歴があったりする場合、公庫は事業の安定性を疑うかもしれません。

 

公庫は、貸主との契約がスムーズに進むか、将来的にトラブルにならないかといった点も考慮に入れることがあります。

 

造作譲渡元のオーナーの信用情報: 造作譲渡を受ける場合、譲渡元のオーナーの経営状況や過去の金融トラブルが審査に影響を与えることがあります。

 

例えば、譲渡元のオーナーが借金を抱えていたり、不透明な取引をしていたりする場合、公庫は「事業譲渡そのものがリスクを抱えているのではないか」と判断し、融資を渋る可能性があります。

 

情報収集の重要性: 物件契約前には、必ず周辺の聞き込みや不動産仲介業者への詳細な確認を行うことが重要です。

 

可能な限り、物件の履歴や貸主の評判、造作譲渡元のオーナーの経営状況などを調査し、リスクを事前に把握することが求められます。

 

参照記事:失敗から学ぶ!少人数美容室開業で絶対に避けること3選

 

共同経営だけど物件契約主の共同経営者とは業務委託の関係で行う時にインボイス、確定申告はどうなる?

 

共同経営の形態は様々ですが、物件契約者が一方の共同経営者であり、もう一方が業務委託という形で参画する場合、税務上の取り扱いは非常に複雑になります。

 

特にインボイス制度導入後は、その影響が大きいです。

 

インボイス制度と課税事業者: 業務委託契約の場合、業務委託を受ける側は個人事業主として活動することになります。

 

インボイス制度が始まって以降、消費税の仕入れ税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の発行・保存が必要です。

 

インボイスを発行できるのは「課税事業者」のみです。

 

もし、業務委託を受ける共同経営者が免税事業者(消費税の課税売上高が年間1000万円以下の事業者)の場合、インボイスを発行できないため、物件契約主の共同経営者は仕入れ税額控除が受けられなくなり、消費税の負担が増える可能性があります。

 

契約形態の見直し: このような状況を避けるためには、業務委託を受ける共同経営者も課税事業者になることを検討するか、あるいは共同経営の契約形態そのものを見直す必要があるかもしれません。

 

例えば、法人を設立して共同出資者となる形や、共同事業契約を締結する形などが考えられます。

 

確定申告と所得区分: 物件契約主は、家賃収入やサロン全体の売上から経費を差し引いた所得を申告することになります。

 

業務委託を受ける共同経営者は、業務委託料として受け取った報酬から、自身の経費を差し引いた所得を申告します。

 

この際、所得区分は原則として「事業所得」となりますが、契約内容によっては「給与所得」や「雑所得」とみなされる可能性もありますので注意が必要です。

 

ご自身で税務署や関連省庁の情報を確認: このような複雑なケースでは、ご自身で管轄の税務署や関連省庁の公式情報を確認し、疑問点を直接問い合わせることが最も確実です。

 

契約形態や事業内容によって最適な税務処理は異なり、安易な判断は後々のトラブルにつながりかねません。

 

適切な情報を集め、事前に税務上のリスクを解消しておくことが賢明です。

 

参照記事:インボイス制度スタート!開業者が知っておきたい「消費税」を簡単解説

 

参照記事:【フリーランス・業務委託向け】一番わかりやすいインボイスの教科書

 

金利上昇に左右されない公庫融資がある?

 

残念ながら、日本政策金融公庫の融資であっても、完全に金利上昇に左右されない融資は存在しません。

 

公庫の融資金利も、基本的には市場金利や金融政策に連動して変動します。

 

ただし、公庫融資には、民間の金融機関にはないいくつかの特徴があり、金利上昇リスクを軽減する側面は持ち合わせています。

 

固定金利の選択肢: 公庫の融資には、変動金利型と固定金利型の両方があります。

 

金利上昇リスクを避けたいのであれば、固定金利型を選択することが非常に有効ですし、推奨されます。

 

固定金利であれば、融資実行時の金利が返済期間中ずっと適用されるため、将来的に金利が上昇しても返済額が変わる心配がありません。

 

特に長期の融資を検討している場合は、固定金利を選ぶことで将来の事業計画が立てやすくなります。

 

低金利政策の恩恵: 公庫は、国の政策として中小企業や創業を支援する役割を担っています。

 

そのため、民間の金融機関と比較して、比較的低金利で融資を提供していることが多いです。

 

また、特定の政策目的(例えば、女性・若者・シニア起業家支援資金や、新型コロナウイルス感染症特別貸付など)に基づく融資制度では、さらに優遇された金利が適用されることがあります。

 

これらの制度を利用することで、実質的に金利上昇の影響を受けにくい形での融資を受けることが可能です。

 

コロナ融資の事例: 記憶に新しい新型コロナウイルス感染症特別貸付では、当初3年間は金利がゼロになるなど、実質的な金利負担を大きく軽減する制度が導入されました。

 

このような非常時においては、公庫が特別な金利優遇措置を講じる可能性があり、それが結果として金利上昇の影響を受けにくい融資となることがあります。

 

金利のチェックと相談: 公庫の金利は定期的に見直されますので、常に最新の情報をチェックし、開業時期の金利動向を把握することが重要です。

 

また、融資担当者に直接相談し、自身の事業計画に最も適した金利プランや制度を提案してもらうのが賢明です。

 

金利上昇への不安がある場合は、その旨を正直に伝え、リスクを軽減できる方法がないか一緒に検討してもらいましょう。

 

参照記事:新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受ける事業者へ。政府による公的支援策のまとめ(2020年12月時点)

 

まとめ

 

開業は、未知の連続です。

 

しかし、一つ一つの疑問を解決し、適切な準備を進めることで、その不安は希望へと変わります。

 

サロンスターターは、これからもあなたの開業を全力でサポートしていきます。

 

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ビューティガレージの開業プロデュースではイレギュラーなサポート事例も多数ございます。

 

あなたのサロン開業の第一サポーターになれれば幸いです。

 

ぜひ一度開業無料相談をお申し込みくださいませ。

 

 

●文/コンシェルジュチーム:野呂

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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