その不動産契約価格は適正? サロンの物件取得にかかる費用の内訳まとめ

公開日:2020/02/18  更新日:2020/02/18
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不動産 契約

サロンの開業にあたって最初にお金がかかるのは、物件取得費用です。当然ですが、物件を契約しなければ内装工事も始められません。

 

開業費用において物件取得費用は、内装費用に次いで大きな額になります。居抜き物件の場合であれば、物件取得費用が一番大きな金額になるでしょう。

 

しかしながら、これだけ大きな物件取得費用について、しっかりと把握できているという人は意外と少ないもの。今回は、物件契約時にかかる費用の内訳について解説します。

 

不明瞭な物件取得費用

内装費に関しては、「必要な設備環境を整える」「ターゲット客の好むデザインにする」などが価格に反映され、費用を抑えたい場合には、壁や床の質を落としたり、不要なものを取り除いたりすることでコントロールできます。

 

「何にいくらかかっている」ということが明確で、要・不要が判断しやすい費用と言えます。

 

これに対し、不動産の契約時にかかる費用は価値を見出しにくいのです。仲介手数料の相場は家賃の1か月分。保証金をいくらにするかは貸主の判断。物件取得費用は“納得感”を得にくいものが多いのです。

 

これを少しでも解消するためには、その不動産を契約するときに、何にお金を支払っているのかをきちんと理解しておく必要があります。

 

保証金(敷金)

賃貸借契約時に、借主から貸主に支払うお金のこと。

 

厳密には、退去時に戻ってきますので、支払うのではなく“預ける”お金で、敷金と同様の意味です。金額は家賃の2~12か月分と貸主によって幅広く設定されてます。

 

保証金の主な目的は、貸主が家賃の滞納などに備えておくためです。

 

預けるお金とはいえ、保証金の一部は退去時に補修費等の費用として差し引かれることもあります。これを「敷引き」と言い、このぶんのお金は戻ってきません。

 

美容室は内装工事を行うため、原状回復に対する懸念やサロン経営への不安(家賃滞納など)によって、保証金を上げる貸主もいます。チラシでは6か月だったのに、美容室という理由で10か月にされたというオーナーもいました。

 

保証金は物件契約で一番お金がかかる部分です。逆に言えば、保証金が少なければ取得費用を低く抑えられます。

 

礼金

もともとは、貸主に謝意を示すために支払うとされていたものですが、最近は単なる貸主への支払い手数料のようなものになっています。

 

家賃の1~2か月分の支払いが一般的ですが、礼金を取らない貸主も増えてきているようです。

 

仲介手数料

テナントの紹介や契約の手続きなどの対価として不動産会社に支払うお金です。仲介手数料に関しては、家賃の1か月分(+消費税)と上限があります。

 

たいていの場合は上限の1か月分になりますが、まれに仲介手数料がゼロ、もしくは半額という物件もあります。不動産会社自体が所有するテナント(不動産会社が貸主)であるケース、あるいは、仲介手数料の半分を貸主から徴収するケースなどがそれに当てはまります。

 

前払い家賃

契約日から次の家賃支払い日までの家賃を、契約時にまとめて支払うものです。契約時期によって金額が異なります。月の真ん中から家賃が発生する場合には、家賃の半額を支払います。

 

貸主によっては、内装工事の期間をフリーレント(家賃無料)にしてくれることもあり、この場合は前払い家賃の費用を抑えることができます。

 

家賃保証会社への支払い

家賃保証会社は、借主に家賃滞納があった場合に、貸主に家賃を立て替えて支払いをするものです。

 

連帯保証人を代行するため、借主にとっては契約時に連帯保証人が不要というメリット、貸主にとっては賃料の未回収リスクを軽減できるメリットがあります。

 

費用は保証会社によって幅がありますが、開業サポートをしていると、家賃の60~80%程度の金額を設定している会社が多いようです。1年間家賃を滞納せず支払った場合には、次の年から支払い額も下がります。

 

保証会社へ加入する場合には、事前審査が必要です。源泉徴収や給与証明などの提出を求められ、事業計画書の提出を条件にする保証会社もあります。

 

まとめ

物件契約時にかかる費用は

・保証金(敷金)
・礼金
・仲介手数料
・前払い家賃
・保証会社への支払い

から構成されます。

 

冒頭でも書きましたが、こうした費用の中に価値を見出すのは難しいのです。「なぜ保証金が10か月分なのですか?」と聞いても、合理的な説明は返ってきません。

 

また、貸主への交渉でも、不動産を挟んで行うことが多いため、提示された金額を変えることは困難です。

 

大事なことは、1)そのエリアで集客が見込めるか、2)その家賃で利益を出しサロンを経営できるかということ。

 

物件取得費用に見合う価値を出すのはサロン自身だということを肝に銘じておきましょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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