オープン後の目標は安定経営! サロン運営におけるキャッシュの重要性

公開日:2020/03/03  更新日:2020/03/03
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サロン お金

長い開業準備を経てようやく自分のサロンをオープンすることができると、ホッとしますよね。

 

しかし、本当に大変なのはオープン後です。

 

苦労して作ったサロンを繁盛させていくことがオーナーの仕事。

 

この繁盛の定義やサロンの目標はオーナー自身が決めることですので、開業サポートでも、サロンがオープンした後はお手伝いをいたしません。

 

しかし、開業コンシェルジュとして、オープン時にいつもオーナーにひとつだけアドバイスさせていただくことがあります。

 

それは、「まずは現金を増やしましょう」ということです。サロンの安定には現金(キャッシュ)が必要です。これは売上や利益といった事業計画書で使った数字とは別物です。

 

今回は、サロン経営におけるキャッシュの大切さをお伝えします。

 

サロンが潰れる原因は“赤字”ではない

SALONスターターでも何度か触れていますが、サロンの倒産は赤字が直接の原因ではありません。原因はキャッシュ不足です。

 

サロンを運営するための経費を支払うことができれば赤字でも問題ありません。赤字を垂れ流すサロンが生き残っていることについて賛否はありますが、現金さえあれば、サロンはずっと経営できてしまうのです。

 

開業前にオーナーは運転資金を用意しますが、この運転資金が多ければ多いほど、たとえ売上がゼロだとしても家賃や人件費を支払っていけるのです。

 

借入の役割」を理解している人は、自己資金があったとしても、現金を増やすことを考えて融資を受けます。

 

収支計画書の数字と現金の動きは違う

サロンが利益を出せなければ現金は減っていきます。利益を出して、少しずつ通帳残高に積み上げていく必要があります。

 

開業準備の段階では、サロンが達成すべき利益目標を設定して収支計画を作ります。しかし、当然ながら計画書通りにいくとは限りません。

 

想定外の費用が発生したり、思っていた以上に固定客が伸びなかったり、実際に運営してみないとお金の動きはわかりません。

 

計画書を参考にしつつ、実際の数字を追ってく必要があります。

 

サロン運営において注意すべきことは、「会計上の数字」と「現金の動き」は同じではないということです。

 

たとえば、クレジットカードで売上を計上すると、現金はすぐには手に入りません。売上分のお金が入ってくるのは次月になることもあります。

 

キャッシュレス決済ばかりになると、手元の現金はすぐには増えず、会計上で見える数字よりもサロンの現金は小さくなります。

 

これと同じことは経費にも言えます。

 

たとえば、材料を当月分しか仕入れないというサロンはまれです。一度に一定量を仕入れて、使った分だけを順次発注していきます。

 

すると、当月の原価として会計処理された数字と、実際に支払った仕入額が違ってきます。それゆえ現金にずれが生じるのです。

 

サロンの売上や経費をシステムやノートなどで記帳する場合には、会計上の数字と現金の動きが違うことを理解しておきましょう。

 

月末に預金通帳をチェックする

計画書で作った数字、サロン活動を通して作った数字だけでは、サロンのキャッシュを把握することはできません。

 

私が開業サポートの際にお客さまにお伝えしているのは「毎月末、サロンの預金通帳をチェックする」ことです。

 

このチェックするときには以下2つの視点が必要です。

 

前月比で預金の増減を把握する

前月に比べて、預金が増えたのか減ったのかを把握しましょう。

 

毎月預金が減っていれば危険です。何にお金が出ていったのかを分析して手を打つ必要があります。

 

口座の金額と次月以降の固定費を把握する

口座の金額が、次月以降の固定費よりも多くなっているかを把握しましょう。

 

口座の金額よりも支払う金額が多い場合には、完全な自転車操業になってしまっています。今日稼いだお金を明日の経費に回すというのは、不安定な状態です。

 

開業サポートでも伝えていますが、オープン時には、固定費の3~6か月分は現金として残しておく(預金通帳に入っている)のが理想です。

 

まとめ:サロンの安定に欠かせない「キャッシュへの意識」

サロンをオープンして真っ先に気になるのは集客です。とにかく売上を上げることに集中します。

 

しかし、最終的な目的は「サロンのお金を増やすこと」と肝に銘じておきましょう。

 

オーナーは、サロンがオープンしたときの通帳残高を覚えておきましょう。その通帳残高にしっかりとお金が貯まっていくことが大事です。

 

とくに個人事業主は、利益=自分の収入になるため、サロンのお金を増やす意識が薄い人が多いのも事実です。

 

まずはサロンが潰れないだけの現金を確保すること。ここに注力していきましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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