コロナウイルス感染症による影響の中で、開業者が注意すべきこと

公開日:2020/03/23  更新日:2020/03/23
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美容室 

コロナウイルス感染症のビジネスへの影響は、日に日に厳しさを増しています。

 

先日、日本政策金融公庫へ行ってきましたが、いつもとは違う雰囲気に驚きました。事業主が列をなして融資面談を待っていたのです。※1

 

多くの中小企業が資金繰りに四苦八苦している状況が続いており、日本政策金融公庫の担当者も必死の対応に追われています。

 

こうした環境の変化の中で、開業に向けて進めている人、年内にオープンを目指している人はどんなところに注意しなければならないでしょうか。

※1 BeaUTOPIA『開業1年目の美容室は? 新規出店で売上増だと? 新型コロナ対応融資について日本政策金融公庫に聞きました

 

創業融資の遅れ

多くの開業者が日本政策金融公庫やその他金融機関から借入を行います。

 

通常であれば、日本政策金融公庫に創業融資の申し込みをして、面談・審査・決定・着金というプロセスに1ヶ月程度かかります。

 

ところが、このプロセスに遅れが生じてきています。

 

現在、日本政策金融公庫は、コロナウイルス感染症で影響を受けた事業者に対して「無利子・無担保」で融資を行っています。多くの事業者から申し込みがあって、公庫の担当者は対応に追われています。

 

それゆえ、創業融資の審査に人員が割けない事態が発生しているのです。面談後、担当者は実際に現地に足を運んで審査を行います。その時間が確保するのが難しい状況なのです。

 

創業融資のプロセスは、2ヶ月以上かかる可能性がでているのです。

 

不動産契約の遅れ

融資決定が遅れると、今度は物件が流れるリスクも高くなります。多くの開業者は、借入金によって物件契約にかかる費用を支払います。融資が決まるまで、物件契約をしないのが基本です。

 

しかし、物件を申し込んでから融資が決まるまでの期間が伸びると、なかなか契約ができません。すると次のことが起こりえます。

 

1)早く家賃収入が欲しい貸主が、他の人に物件を貸したいと思う。2)資本力のある事業主が、先に物件を契約してしまう。というリスクです。

 

こうした状況に陥った場合、開業者ができることは不動産会社を介して、貸主と交渉することです。

 

融資が遅れる可能性が高いことを理解してもらい、契約時期を先延ばししてもらいます。難しい場合には、手付金・保証金の一部を先に支払いして、物件契約を待ってもらうといったことも考えるべきです。

 

ではそうした支払いのための資金はどうすべきでしょうか。頼れるのは身内です。親族に頼んで、家賃の一ヶ月分を払ってもらうなど、短期間の資金繰りを行います。

 

カードローンや消費者ローンは金利が高いため、開業者がつなぎ融資を使うことはおすすめできません。まずは親族にあたってみましょう。

 

集客への不安

先日「コロナウイルス感染症が流行しているという状況でオープンしても大丈夫か?」といった相談を受けました。

 

正直、どこまで長引くかわからないのが現状です。実際に、自身が働いているサロンでも影響がでたという人も多くいます。

 

主婦層をメインターゲットにしているサロンでは予約キャンセルが相次ぎました。お客さまの子どもが急に休校になり自宅で過ごすことになったからです。

 

また、「卒業式や春休みのイベントが中止になったため、例年に比べて学生の予約が大きく減った」という声も聞こえてきます。

 

SALONスターターでは何度もお伝えしておりますが、集客はコントロールできません。それを前提にして計画を立てる必要があります。

 

つまり、損益分岐点を明らかにして、最低限必要な客数をクリアできるまで、経費を抑えていくやり方です。※2

 

たとえ新規集客がゼロでも、自分の固定客が定期的にくればサロンは存続できる計画が理想だと思います。

 

もし、固定客が見込めない場合には、資金を多めに確保する戦略が必要です。東京商工リサーチによれば、倒産の原因の8割は販売不振です。9割が小・零細規模のサロンです。

 

「創業時に想定しているよりも、お客さまは来ない」ということだと思います。だからこそ、運転資金の確保は必須です。資金ショートを防ぐことで、サロンの寿命を延ばすことができます。

※2 『経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方【前編】

 

 

まとめ:楽観的な計画を立てない

コロナウイルス感染症が社会・経済に大きな影響を及ぼしています。いつ収束するかは誰もわかりません。これから開業する人は、常にアンテナを張って情報収集に努めましょう。

 

すでに開業準備に取り掛かっている人は、融資審査の遅れと不動産契約のタイミングの問題を克服する必要があります。

 

「融資に時間がかかって物件が流れるかもしれない」と想定して、不動産に働きかけたり、親族に支援を依頼したり行動してみましょう。

 

こうした状況だからこそ、万が一を想定しながら、より現実的な、あるいは悲観的な計画を立てることをお勧めします。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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