新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受ける事業者へ。政府による公的支援策のまとめ(2020年12月時点)

公開日:2020/12/24  更新日:2020/12/24
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国会 予算

政府は2020年12月21日に、令和3年度の予算案を閣議決定しました。同15日には令和2年度第三次補正予算を計上しています。

 

サロン事業を含む、生活衛生事業への予算はおよそ600億円にも上ります。

 

飲食店やホテル業、旅館業など新型コロナウイルスの影響が深刻な業界への公的な支援策としての予算です。

 

程度の差こそあれ、美容サロンも大きなダメージを受けているのは事実です。

 

そこで、厚生労働省の資料から政府が行っている、あるいはこれから行おうとしている公的支援策についてまとめました。

 

雇用調整助成金の特別措置の延長

新型コロナウイルスの影響を受けて、事業活動を縮小せざるを得なくなった事業主に対して、雇用維持を図るため、従業員への休業手当などにかかる費用を助成してくれる制度です。

 

こちらは、4月に記事にも書いておりますが、現在の条件についてこちらに載せておきます。条件や面倒な手続きが撤廃されています。

 

助成金

 

【問い合わせ】

申請手続は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークで受け付けています。

 

個人向け緊急小口資金等の特例貸付

こちらは個人事業主の方は知っておくべき内容だと思います。

 

新型コロナウイルスの影響を受けて、一時的な資金が必要な場合、また失業によって生活の立て直しが必要な場合は、資金の貸付を受けられます。

 

個人事業主は失業保険がありません。万が一のセーフティーネットとして知っておく必要があります。

 

緊急小口資金

【対象者】

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生活維持のための貸付を必要とする世帯

 

【貸付額】

・20万円以内(一括交付)
・据置期間 1年以内
・返済期間 2年以内
・連帯保証人不要、無利子

 

総合支援資金

【対象者】

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難になっている世帯

 

【貸付額】

・世帯人数2人以上:月額20万円以内

・単身:月額15万円以内

 

【貸付期間】

・原則3か月以内(送金は、1か月ごとの分割交付)・据置期間 1年以内
・返済期間 10年以内
・連帯保証人不要、無利子

 

【問い合わせ】

個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター

0120-46-1999

受付時間:9:00~21:00(土日・祝日含む)

 

生活衛生営業指導センターによる支援

こちらはまだ決定ではありません。

 

「新しい生活様式」に沿った生活衛生関係営業経営支援事業を行う予定とのこと。

 

都道府県の生活衛生営業指導センターが相談窓口を設けたり、訪問指導したりして事業者にガイドラインに従った衛生対策の助言を行います。

 

生活衛生営業指導センターを起点にして、各種公的な支援策の情報提供につなげ、公的支援策を広く認知活用してもらおうという意図があります。

 

日本政策金融公庫による特別貸付

新型コロナウイルスによる影響を受けた事業者への資金繰り支援として、特別貸付も引続き行っています。

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付

こちらも3月から引続き行われています。すでに記事に書いていますが、最新のものを記載します。

 

【対象者】

新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年比5%以上減少した生活衛生関係営業者 

 

【資金使途】

設備資金、運転資金 

 

【貸付限度額】

8,000万円 

 

【担保】

無担保 

 

【貸付利率】

基準利率。当初3年間は4,000万円を上限に基準利率-0.9%、4年目以降基準利率

 

【貸付期間(据置期間)】

設備資金20年以内(5年以内)、運転資金15年以内(5年以内)

  

設備資金貸付利率特例制度

こちらはこれから創設される予定の制度です。

 

利率を抑えて積極的な設備投資の喚起を促すのが目的です

 

生産性向上が図られる設備投資を行う目的で融資を受けると、利率が優遇される予定です。

 

【貸付限度額】

各貸付制度に定める限度額

 

【貸付利率】

各貸付制度の定める利率から-0.5%(当初2年間)

 

【据置期間】

各貸付制度定める期間

 

事業承継、集約、活性化支援資金拡充

事業継続が困難となっている生活衛生関係営業者の増加が見込まれる中、円滑な事業承継等を支援するため「生活衛生関係営業事業承継・集約・活性化支援資金」を拡充します。

 

【対象者】

生活衛生関係営業を営む者であって、安定的な経営権の確保等により、事業承継・集約を行う者 等 

 

【資金使途】

設備資金、運転資金(運転資金については、振興計画に基づく事業を実施している生活衛生関係営業者が必要とするものに限る。)

 

【貸付限度額】

一般貸付又は振興事業貸付の貸付限度額

 

 【貸付利率】

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業継続が困難となっている先を事業承継する者は、基準利率-0.4% (うち当該先が小規模事業者である場合、基準利率-0.65%) 

 

付加価値向上計画を作成し事業承継する者は、基準-0.4% (うち外部専門家(事業引継ぎ支援センター等)の関与の下、事業承継する者は基準利率-0.65% ) 等 

 

【 貸付期間(据置期間)】

設備資金20年以内(2年以内)、運転資金7年以内(2年以内)

 

売上悪化の原因が新型コロナなら迷わず公的支援を

こちらはすでにサロン経営をしている人向けの情報ですが、開業後にもこうした公的支援があることを知っていることが大事です。

 

こうした外的要因による経営の悪化は事業者だけが頑張っても回復が難しいと思います。公的支援に頼ることを選択肢として持っておきましょう。

 

特に新型コロナウイルスは飲食店、ホテル業、旅館業に甚大なダメージを与えています。生活衛生事業への公的支援はますます手厚くなるでしょう。

 

政府の動向をチェックましょう。

 

資料:厚生労働省『 令和2年度厚生労働省第三次補正予算案の概要

 

※参照:持続化給付金の申込は21年1月15日で終了の予定になっています。

コロナウイルス感染症で影響を受けているサロン・フリーランス美容師へ。持続化給付金に関するまとめ

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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