結果は戦う前に決まっている!?美容室を開業するための基本要素を理解しよう。

公開日:2021/11/04  更新日:2021/11/04
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美容師 独立

「よい物件が見つかったので、すぐに融資に動きたい」という問い合わせを受けることがあります。

 

開業相談でお話を聞いてみると、「おそらくこの物件で開業することは難しいのではないか」と思うこともあります。

 

そういう人は、そもそも自己資金が十分でなかったり、融資のための事業計画書をまったく作っていなかったり、その物件で美容室ができるかどうかを調べてなかったりします。

 

美容室の開業という目標を達成するためには、基本的な要素が満たされていなければなりません。

 

今回は、美容室開業の明暗を分ける基本要素について解説します。

 

基本要素は4つあります。財務状況、経営者としての資質、出店エリア、そして協力者です。

 

財務状況

「そもそも開業するだけの体力があるか」という部分です。

 

美容室には資金が必要です。資金が不足している場合には、借入れを行います。借入れを行うと月々の返済が発生します。

 

美容室を開業することで、個人の財務状況は大きく変わります。まず自分のお金が減ります。お金以外の資産がなければ、開業後の生活はサロンの成功にかかってきます。

 

これは非常にリスクが高い。

 

実際はサロン経営とは別に、自分の生活が安定する状況を作っておかないと、サロンがダメになった時に私生活もダメになります。

 

それゆえ、なけなしのお金をすべて開業に投資するといった状況はさけないといけません。

 

まずは、自分の財務状況を確認しましょう。

 

開業にお金を使ったあと、十分に預金や資産を残せるようにしておきましょう。あるいは親族からの支援を求めましょう。

 

経営者の資質

「サロンを経営していけるのか」という問いです。

 

開業すると、美容師はサロンオーナーになります。美容師とオーナー=経営者は違います。

 

美容師としての技術や接客があれば、自分の売上を作ることはできます。

 

しかし、サロンを作り、スタッフを雇う場合、自分以外のスタイリストに売上を作ってもらわなければなりません。また、サロンを維持するお金を支払っていかなければなりません。

 

もちろん、美容師としての実績は必要不可欠ですが、それ以上に、経営者の能力があるかどうかが重要です。経営者の資質とは、ここではサロンをマネジメントする能力と言えます。

 

開業者は経営者ではありませんので、これからマネジメントができそうかを判断します。

 

したがって、計画の立案、マーケティング(販促戦略)、スタイリストの管理、計数管理といった仕事に携わったことがあるかはとても大事です。

 

店長としての経験や、スタイリストの教育経験があれば、経営者の仕事の一部を体得していると言えるでしょう。

 

経営者の資質は生まれ持ったものではありません。経験や学習で身につくものです。

 

自分のキャリアにおいてそういう経験がなければ、開業の準備の中で学んでおくべきものです。そういう意味でも、事業計画書の作成は重要な作業と言えます。

 

出店エリア

「出店エリアにはビジネスチャンスがあるか」ということです。

 

出店エリアについてどの程度知っているかは、サロンの成功に重要な要素です。

 

だからこそ働いたことのあるエリアで開業する人が圧倒的に多いのです。

 

一方、出店エリアをゼロから選ぶ場合には情報収集から始めます。

 

例えば、そのエリア(市町村)の人口を調べたり、最寄り駅の乗降者数などを調べて、ボリュームを確認します。

 

あるいはそのエリアに行って、人の流れを観察したり、ターゲットのいそうな施設を見学したりします。

 

美容室はどのエリアにも多く存在します。したがって競合サロンがあることは前提で、競合との差別化を考える必要もあります。

 

出店エリアの競合サロンのホームページやメニュー表をみて、訴求メニューや平均単価などを推定しましょう。そして、競合と戦っていくために、どういう打ち出しをすべきかを考えましょう。

 

そもそも、20代後半・一人暮らしで所得が高い女性をターゲットにしているのに、主婦層の多い住宅地エリアに出しても勝ち目はありません。どのエリアでオープンするかは非常に大切です。

 

エリアに十分なターゲットがいて、かつ、競合サロンに勝てる強みを訴求できること。この条件を満たせなければ、勝ち目はありません。

 

協力者

協力者とはサロンの開業にかかわる事業者のことです。事業者はスムーズに開業を進める上で大切なパートナーです。

 

開業はプロジェクトです。一人で行うものではありません。協力してくれる事業者が不可欠なのです。

 

不動産に依頼して、よい立地の物件を探すのを手伝ってもらいます。そして、融資が通るまで契約を待ってもらえるように、大家さんと交渉してもらうこともあるでしょう。

 

内装会社には、物件の状態を調査してもらい、美容室として営業できる物件なのかを評価してもらいます。そして、デザイナーと打ち合わせを重ねて予算内で理想のデザインを作り上げます。

 

あるいは、税理士やコンサルタントと協力して事業計画書を作り、銀行からの融資を勝ち取ります。

 

また、ポータルサイトの営業担当と一緒に、目標の新規客数を獲得するためのクーポンやメニューを考えます。

 

こうした様々な事業者をうまくまとめる力がなければ、開業準備はスムーズに進みません。

 

例えば、融資を受ける場合に、見積もりを集めなければなりません。

 

内装の見積もりはA社に、シャンプー器具はB社に、そしてセット椅子はC社に、物件はD不動産に依頼します。

 

期日までに1社分でも見積もりが手に入らなかったら、融資審査が遅れてしまいます。そのくらい協力者との関係は大切なのです。

 

協力者を動かすのは、開業プロジェクトのリーダーである開業者です。

 

サロンのコンセプトを示すだけでなく、予算、期日をしっかり決めて、明確な活動の指示を出す。

 

そういう姿勢が求められるのです。事業者と一緒に働くという経験を通して、開業者はオーナーとしての仕事を始めるのです。

 

まとめ

美容室の開業という目標を達成するためには、4つの基本要素を理解して、足りない部分をクリアしていかなければなりません。

 

1.開業するための資金的な体力があるか

 

2.サロンを経営するための資質が身についているか

 

3.サロンが儲かりそうなエリアを選んでいるか

 

4.開業をスムーズに進める協力者がいるか

 

この4つを開業準備を行う前に自問自答してみましょう。

 

ビューティガレージでは、事業計画書の作成からサロンのオープンまであらゆる場面で、オーナーの協力者としてお手伝いをさせていただいております。

 

資金的な不安、マネジメント経験の不足、エリア選定の問題など、開業をするために障害になっている要素がありましたら、ぜひ開業無料相談にご予約ください。

 

 

●文/コンシェルジュ室・安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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