資金計画の落とし穴!美容室を始める際に見逃しがちな出費とは?
美容室を開業する際に事業計画書を立てる際には、設備資金(物件取得費、内装費、美容器具)などの見積もりは行いますが、それ以外の細かな費用まで見積もることは少ないです。
しかし、事業計画書に基づいて銀行から融資を受けた後、なぜか予想以上に資金が減少してしまうことがあります。
すべての経費を計画段階から完全に把握することは難しいですが、見落としがちな経費について整理しておきましょう。
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インテリア/小物
資金調達が完了し、いよいよサロンの準備に取り掛かる段階になると、内装デザインにもこだわりが出てきます。
以下のようなものが、あらかじめ想定していた内装費に含まれていない可能性があります。
- 小物や雑誌、店販商品を飾るためのシェルフ
- 待合スペースに置くソファやテーブル
- サロン全体を華やかにする観葉植物・ラグ
- お客さまの荷物を預かるクローク・ハンガーラック類
また、私がサポートしたサロンでは、絵が趣味のオーナーがサロンに飾るための絵をいくつか購入したり、大きな黒板を設置して絵を描くといった工夫をしていました。
参考記事:『美容室開業における店舗デザインの価値とは』
機器類
集客やPOS・決済システムなどを導入する際には、初期費用とランニングコストがかかりますが、それらはあくまでサービスの対価です。そのサービスを利用するためには、以下のような機器が必要となります。
- ホットペッパーの管理画面を操作するためのパソコン
- お客さまに電子書籍を読んでもらうためのiPad
- 会計のための決済端末機
- お金を管理するドロワーやレシートなどのレジ機能
システム会社によっては、端末機やiPadの無料貸与キャンペーンを実施していることもありますので、デバイス部分の費用がかかるかどうかも前もって確認しておくことが大切です。
それ以外にも、サロンのスタイルによってはさまざまな機器を追加で購入するケースがあります。たとえば、コロナが流行した2021年には、空気清浄機を購入するサロンが多かったです。
参考記事:『開業前に知りたい! サロン経営に不可欠なPOSシステムの基本と選び方』
衛生用具
美容室を開業するためには、保健所による営業許可が必要です。オープン前に保健所職員が立ち入り検査を行い、サロンの衛生状態を確認します。
サロン側も保健所の基準に従って、必要なアイテムを揃える必要があります。
- メスシリンダーなどの消毒機器
- タオルをしまえるキャビネットやワゴン
- 清掃用具
- ゴミ箱
これらの他にも、タオルや手袋、ケープなどの衛生用品の準備も欠かせません。
参考記事:『忘れないで! サロン開業における保健所での手続きと提出書類まとめ』
販促物
融資を受ける前に想定していた販促物以外にも、「やっぱりこれも必要」となって販促物の費用がかさむケースもあります。
- ビジネス名刺
- チラシ作成とポスティング
- ポイントカード
最近では、自分でデザインした販促物をプロに仕上げてもらう「トレース」という方法がよく見られます。例えば、ロゴデザインを自分でCanvaなどで作成したものの、思ったようなクオリティにならない場合、そのデザインを基にプロのデザイナーに依頼することがあります。
事務用品
システムを導入したサロンでは不要ですが、カルテの管理などを紙で行う場合には、事務用品も揃えておく必要があります。
- 紙のカルテとそれを整理するバインダー
- 手書き対応の領収書
- 会計用のための電卓
- お客さまに次回予約を促すための卓上カレンダー
その他にも、以下の基本的な事務用品を準備しておくとよいでしょう。
- ボールペン、ホッチキス、のりなどの文房具
- スタンプ、印鑑、封筒
まとめ
事業計画書ではカバーしきれない費用にも目を向けておくことが重要です。特にインテリアや機器類は、予想以上に資金を減らす要因となることがあります。そのため、余裕資金として現金を確保しておくことが望ましいです。
また、事務用品や衛生用品は額が大きくないため、必要に応じて買い足していくことができます。オープンまでに必須ではないものは、営業しながら揃えていっても問題ありません。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。