美容室が大量倒産の危機!?サロンコンシェルジュの見解
2024年度に入って、美容室の倒産件数が過去最高を記録したというニュースが話題となっています。
「今から美容室を開業するのはリスクが高いのか?」、「1年以内に潰れる可能性が半分以上あるとネットで見て開業するのが怖い」そんな悩みを抱えている開業予定者も多いのではないでしょうか?
この記事では、美容室が直面する現状と未来に向けた戦略について、サロンコンシェルジュの視点から考察します。
目次
美容室倒産の背景と実情
2024年に過去最高を記録した美容室の倒産件数ですが、これらは主に資金規模の大きな中規模サロンやチェーン店に影響しています。
負債総額1000万円以上の倒産が統計として報じられているため、小規模サロンや個人経営者が廃業しても、これらは統計上の「倒産」に含まれないことが多いです。
個人経営の美容室はコスト構造が異なり、設備投資や人件費の負担が比較的小さいため、負債が1000万円以上に達することは少なく、結果的に倒産統計には反映されにくいのです。
一方で、個人サロンの新規開業は毎年増加傾向にあります。
特に、低資金での開業が可能な一人美容室の人気が高まっており、都市部だけでなく地方都市でも開業数が増加しています。
このトレンドは、美容業界全体の倒産リスクと相反する形で、サロン経営の新たな機会を生み出しています。
過当競争と価格競争の激化
美容業界が直面する課題の一つは、サロンの過剰供給による過当競争です。
全国に約25万軒もの美容室が存在し、これはコンビニエンスストアの約5倍に相当します。
サロン数がこれだけ多いと、当然ながら顧客獲得競争が激化し、特に低価格帯サロンやチェーン店との価格競争が避けられません。
個人サロンはこうした大手の価格競争に巻き込まれないよう、自身の強みを打ち出す必要があります。
顧客単価の低下とリピート率の課題
消費者の生活コストが上昇する中で、美容にかける支出も抑えられる傾向にあります。
その結果、顧客単価が低下し、リピート率の低下が課題となっています。
特に価格に敏感な消費者が多いエリアでは、サロンの値下げ競争が起こりやすく、一度来店した顧客が他の安価なサロンに流れてしまうことも少なくありません。
このような状況下で成功するには、単なる価格競争ではなく、サロン独自の価値を提供することが重要です。
例えば、秀でて高い技術力や特定のメニューに特化したサービス、リゾートのようにリラックスできる空間作りなど、顧客にとって「代替が無い」体験を提供することで、リピート顧客を増やすことが求められます。
経営力の強化が鍵
美容師は技術職であり、そのスキルを磨くことに多くの時間と努力を費やしていますが、経営者としての視点を持つことも同様に重要です。
経営に必要な知識やスキルを欠いていると、どんなに優れた技術を持っていても、サロンの存続は難しくなります。
マーケティング、財務管理、スタッフの労務管理など、経営者としての基本的なスキルを磨くことが、サロン経営の安定と成長に繋がります。
また、デジタル化の進展に対応することも不可欠です。
オンライン予約システムの導入やSNSを活用した集客戦略が特に重要となっており、これらを活用できないサロンは、今後の競争において厳しい立場に置かれる可能性が高いです。
従業員の離職率と労働環境の改善
美容業界は、他業界に比べて従業員の離職率が高い傾向にあります。
低賃金や長時間労働が離職の主な原因であり、多くの若手美容師が業界を去っていきます。
これにより、優秀なスタッフを維持できないサロンは、技術力やサービスの質が低下し、さらに経営が難しくなるという悪循環に陥ることがあります。
オーナーは、スタッフが働きやすい環境を整え、適切な報酬や休暇制度を提供することが重要です。
スタッフの定着率を高めることで、サロンの技術力やサービスの質を維持し、結果的に経営の安定化が図れます。
サロンコンシェルジュからのアドバイス
サロンコンシェルジュの視点から、今後の美容室経営における成功のためのポイントをいくつか提案します。
差別化による競争優位の確立
価格競争に巻き込まれないためには、サロン独自の強みを活かした差別化が不可欠です。特定の技術やサービスに特化し、他のサロンとの差別化を図りましょう。
デジタル化の活用
オンライン予約やSNSマーケティングを駆使して、顧客とのコミュニケーションを強化しましょう。デジタル化は今後の経営において重要な役割を果たします。
顧客満足度の向上
高品質な技術やサービスを提供するだけでなく、顧客との信頼関係を築き、リピート客を増やすことが経営の安定につながります。
働きやすい職場環境の提供
従業員の満足度を高めることで、サロンの技術力やサービスを向上させ、経営を長期的に安定させることが可能です。
参考記事:差別化は技術やメニューからは生まれない!サロンのポジショニングの大切さ
参考記事:ものづくり補助金のヒントにも!未来型美容サロンの計略を練ろう
まとめ
美容業界は厳しい競争にさらされていますが、倒産リスクが高い中でも新規開業は増加しています。
技術力に加え、経営力とデジタル戦略を駆使し、差別化を図ることで、個人サロンでも十分に成功のチャンスがある時代です。
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●文/コンシェルジュチーム:野呂
ビューティガレージ コンシェルジュ室
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