調べるのは建物だけじゃない!「面」と「線」を意識した現地調査の重要性

公開日:2021/06/04  更新日:2021/06/04
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物件

良さそうな物件が見つかったら、内装業者に現地調査を依頼します。

 

現地調査では主に「その物件で美容室を営業できるか」を調べます。

 

電気容量、排水口、ガス容量などを調査して、美容室としてのスペックを確保します。

 

ガス容量や電気容量が足りないならば、どうやって必要量を確保できるかを考えます。

 

物件のスペックは美容室の営業には不可欠です。それゆえ必ず現地調査を行います。

 

しかし、建物のスペックを調べるのは現地調査の一部でしかありません。

 

物件選定ではその物件の「面・線・点」を意識することが大切です。内装業者による建物の調査は言ってみれば「点」にあたります。

 

今回は、「面」と「線」の視点から行う現地調査についてお話します。

 

「面」の調査

物件ではなくその物件があるエリア、つまり出店エリアを調べます。

 

出店エリアで注意すべき情報がいくつかあります。

 

近隣の競合サロン

当然、目をつけている物件の周囲にもたくさんの競合サロンがあります。

 

周りを歩いてみて、看板メニューで価格帯をチェックしたり、施術を受けているお客様の層や数を覗いてみましょう。

 

気になるサロンは覚えておいて、あとでホームページなどで情報収集するとよいでしょう。

 

出店エリアの施設

事業計画書で設定したターゲットがいるかどうかも大切な選定基準になります。

 

例えば、カフェやレストランなど近隣にターゲットが通いそうな施設があるかを調べてみましょう。

 

じっさいに中に入ってみて、どんな人が利用しているかを観察しましょう。

 

大切なのは、複数回調査を実施することです。

 

時間帯や、平日・休日によって、客層や数が違う場合があるからです。

 

また大手チェーン店などの出店も一つの指標になります。

 

なぜなら、大手チェーン店は個人事業主以上に、お金をかけて出店エリアの絞り込みを行っています。

 

スタバがある=スタバがこのエリアには需要があると見込んだからです。

 

どんな施設があるのかは立地戦略を考えるための材料になるのです。

 

出店エリアの住宅(どんな層が住んでいるか)

美容室は地域密着型ビジネスなので、近隣住民の調査も大切です。

 

マンションが多い場合には、その家賃相場などを調べることで、経済状況を推測することもできます。

 

また、近くに塾や保育施設があるかを調べてみましょう。家族構成なども見えてきます。

 

住宅エリアでも歩いてみると、自宅の玄関にベビーカーや子供の自転車など家族の年代を想像できるものが見つけられます。

 

以前、新興住宅地のテナントを現地調査した時、平日の午前中主婦の方がベビーカーを引いて歩いている姿を多く目にしました。

 

出店エリアを歩きながら観察することで、ターゲットのイメージを膨らませてください。

 

「線」の調査

その物件へのアクセス、つまり通いやすさを調べます。

 

通いやすさには、お店の見つけやすさ、安心安全なども含みます。

 

物件が建つ「通り」

物件の前を走る道路はお客さまがサロンに通う道です。

 

それゆえ、物件を選ぶときには通りの特徴も重要です。

 

以前現地調査にうかがった物件は、とても狭い道にもかかわらず、車の往来が多い道沿いに面していました。

 

歩道幅がないし、車がすれすれで歩行者の脇を通っています。非常に危険だと感じました。

 

また、大通りから全く人気のない路地に入った場所などでは、暗くなったときにお客さまが不安になるかもしれません。

 

自転車が止められる幅があるか、段差はないか、人通りはどうか、など物件の前の通りについてはよく観察しましょう。

 

駅や停留所からのアクセス

顧客が交通機関を使って来店することを想定した場合、「距離」や「わかりやすさ」も一つの判断基準になるかもしれません。

 

駅から徒歩〇〇分という、物件のチラシに載っている「時間」だけではわからないことがあります。

 

例えば、「少し坂道になっている」「交通量が多く道を渡らなければならない」「道が入り組んでいて迷いそう」こうしたことは、実際に歩いてみなければわかりません。

 

また、サロンに行くまでに「繁華街を通らなければならない」「アーケードや商店街を通らなければならない」など、サロンに着くまでにどんな路を通るのかも確認ができると良いでしょう。

 

これも現地調査の経験ですが、駅から該当物件までの間に水商売のお店が立ち並ぶエリアがありました。

 

顧客が女性であることを考えると、やはり「歩きにくい」と感じるのではないでしょうか。

 

現地調査を行う時には顧客視点を忘れずにしましょう。

 

まとめ:現地調査は「電気ガス水道の調査」だけじゃない

いわゆる現地調査は、建物の中を内装業者や管理会社と協力してすすめていきます。

 

特に美容室として営業ができるだけのスペックを備えているかの調査であり、これはこれで非常に大切です。

 

しかし、本来の調査は、物件そのものだけではなく、エリア、物件までの導線も考慮しなければなりません。

 

特に物件周辺の施設や人通りなどは、日にちや時間を変えて何回か調査する必要があります。

 

なぜなら時間によってエリアの特徴が変わるからです。

 

内装業者に任せられるのは建物の状態だけです。それ以外は自分で調べなければなりません。

 

美容室の営業に必要なスペックがあっても、お客さまが集まらない場所であったらサロン経営はうまくいきません。

 

立派なデザインの美容室を作ったとしても、認知されず、通いにくいサロンになってしまいます。

 

現地調査の際には、実際に駅から歩いてみたり、周辺を散策したりして情報収集に努めましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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