インフレ時代の美容室開業戦略と準備ガイド
約2年前に『物価上昇の時代に突入!これから開業する人が事業計画で意識すべきこと』という記事を書きました。
今回はその続編になります。
24年2月現在、物価高騰は少し落ち着いてきたようですが、世界経済今後もインフレは緩やかに続いていくようです。
今後の美容室の開業は一層の慎重さと計画性が求められると感じています。
今回は、インフレが美容室開業にもたらす影響と、それに対応するための戦略を考察しました。
参考記事
日経新聞『「脱デフレ」2つの関門 政府見通し、物価3年連続2%超』
開業のタイミングと準備スピード
物価の上昇は一時的に落ち着いた感がありますが、インフレの傾向は継続すると予測されます。
これは、開業のタイミングと準備スピードに大きな影響を与えます。
物価の上昇が予想される中で、半年後や1年後には、設備投資や資材購入のコストが上昇する可能性があります。
さらに、それに加えて物流問題も報道で指摘されているとおり、資材や器具の搬送にも支障が出ることが想定されます。
それによって納期が長引くこともあるため、開業準備はこれまでよりも早めに進めていくべきでしょう。
また、インフレにより金利が上昇する可能性も十分あります。そうすると融資など資金調達の条件が厳しくなることも予想しておく必要があります。
「1~2年後に開業」と言っていると、今以上の開業費用がかかってくる可能性が十分あります。
開業する意思がある人はできるだけ早く準備をした方がいいでしょう。
賃上げへの対応
現在、中小企業でも賃金アップを検討する動きが見られます。
これは、物価高の影響だけでなく、生産人口の減少による深刻な人手不足が背景にあるためです。
美容室業界も例外ではなく、優秀なスタッフを確保するためには、競争力のある給与体系を導入する必要があります。
しかし、単に給与を上げるだけでは利益が圧迫されてしまうため、継続的に売上を増やすための戦略も重要になります。
したがって、事業計画書は少なくとも3年先を見据えて作成し、経営の持続可能性を確保する必要があります。
サロンと一緒にスタッフが成長するビジネスプランを意識しましょう。
参考記事
日本商工会議所『「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果について~中小企業の65.6%が人手不足と回答、賃上げ実施予定の企業は6割を超える~』
国土交通省『物流の2024年問題について』
マーケティング戦略の重要性
インフレが進む中で、消費者の生活費が増え、美容サービスへの支出が抑えられる可能性があります。
これに対応するためには、新規顧客の獲得と既存顧客の定着に向けたマーケティング戦略が不可欠です。
特に一人サロンも大きく意識を変える必要があります。自分の指名客だけを顧客とした場合、売上は安定しますが、コストが高くなっていくと、収入が減ってしまいます。
一人サロンでも、自身の技術や接客を磨くだけでなく、ITを活用したプロモーションや顧客管理にも力を入れるべきです。
参考記事
『小規模サロン開業の注意点!すぐにキャパオーバーにならないためのポイント』
「小さいサロンでも指名客だけで営業するのは難しい!失客を見越して「新規集客」計画が必要です。」
顧客一人ひとりに対する価値提供を高め、収入を安定させるための施策を考えることが重要です。
まとめ
インフレ時代の美容室開業は、従来以上に綿密な計画と戦略が求められると思います。
開業のタイミングや準備の速度、賃上げへの対応、そしてマーケティング戦略の三つの側面は、成功への鍵を握ります。
コストの管理と収益の増加を同時に追求し、顧客への価値提供を常に考えるサロン経営が求められます。
ビューティガレージではそうした経済、社会状況も踏まえ失敗しないサロン開業をお手伝いしております。
ぜひ開業無料相談に問い合わせください。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。