顧客分析を活用した美容サロン売上向上の戦略
美容サロンの売上を伸ばすための計画を立てる際、まずは売上を細かく分解することから始めます。売上を「客数×客単価」という方程式に分解するのが一般的ですが、このアプローチだけでは具体的な施策に結びつかないことが多いです。
たとえば、100万円の売上を目指す場合、以下のように考えることができます。
100万円=客単価8,000円×客数125人
このように分解すると、どうしても「125人の客数をどのように増やすか」という問いに集中しがちです。しかし、この視点だけでは広すぎて具体的な施策を導き出すのが難しくなります。そこで、もう少し具体的な切り口を持つことが重要です。
参考記事:『目指せ目標達成!成果を出すための集客施策の考え方』
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目次
売上を細分化する視点
売上を増やすための具体的な視点として、以下のような切り口が考えられます。
- 新規客の売上とリピーターの売上
- 単価の高い客層と低い客層
- 来店頻度の高い客層と低い客層
- 午前の売上、午後の売上、夜の売上
- スタッフAの売上、スタッフBの売上、オーナーの売上
売上をどの切り口で見るかによって、情報が変わってきます。情報が変わると、施策の判断も変わります。
効率的な売上向上の戦略
競争の激しい美容業界で売上を伸ばしていくためには、単に客数を獲得するだけの施策では限界があります。
客数獲得にかかるコストや労力を減らしながら効率よく売上を伸ばす方法を考えなければなりません。
そのためには、売上の中でも特に効果の高い施策を実施することが第一の戦略となります。
具体的には、メニュー単価の高い顧客層へのアプローチになります。
客単価の高い顧客を増やす
客単価の高い顧客を増やすためには、まず顧客分析を行い、ターゲットとなる顧客層を明確にすることが重要です。
以下のステップを参考にしてください。
顧客データの分析
サロンのシステムやカルテを利用して、客単価の高い顧客群を抽出します。この際、以下の点を確認します。
- よく利用されるメニュー
- 年齢層
- 顧客の悩み
- 予約経路
これらの情報を分析することで、何らかの傾向が見えてくるはずです。
参考記事:『美容室経営に役立つPOSシステム・顧客管理システムの分析手法』
顧客システムのご相談は『サロンシステムナビ』
訴求ポイントの設定
分析結果をもとに、客単価の高い顧客に対する訴求ポイントを設定します。この訴求ポイントを反映させて、ホームページやポータルサイトのコンテンツを見直します。
インセンティブの導入
客単価の高い顧客はサービス満足度が高いため、インセンティブを設けてサロンに協力してもらうことが効果的です。具体的には、以下のような施策が考えられます。
- アンケートへの回答
- 知り合いの紹介
これらの施策を通じて、顧客満足度をさらに高めるとともに、新たな高単価顧客の獲得を目指します。
客単価の高い顧客への営業強化
高単価の顧客には、積極的に営業をかけていくことが重要です。具体的には、以下のような提案を行います。
- おすすめのホームケア商品
- 新メニューの提案
これにより、客単価のさらなるアップや来店頻度の向上を図ることができます。
高単価の顧客はサロンの価値を理解しているため、提案を受け入れる可能性が高いです。お客さまにとって良いと思うことを提案することは、決して悪いことではありません。
参考記事:『 儲かるサロンをつくるために、店販に取り組む』
まとめ
美容サロンの売上を効果的に伸ばすためには、単に客数と客単価を増やすだけではなく、顧客分析を通じて具体的なターゲットを設定し、それに応じた施策を講じることが重要です。
特に、メニュー単価が高い顧客層を増やすことに注力することで、効率的かつ持続的な売上向上を実現することができます。お客さまに価値を提供し続けることで、サロンの信頼とリピート率を高めていきましょう。
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●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。