美容室開業者必見!成功する物件選びの3ステップ
美容室を開業するにあたって、物件選定は事業の成功を左右する重要なステップです。
今回は、サロン開業者が理想の物件を見つけるために押さえるべき3つのステップを詳しく解説し、成功への道筋を示します。
ステップ1:直感を大切にする
まず、物件を見たときの「直感」は非常に重要な要素です。
開業者自身がその場所でサロンを営業したいと感じられるか、イメージが膨らむかは、運営のモチベーションや顧客に与える印象にもつながります。
直感に基づいた判断は、後々の運営に対する愛着や情熱を生むための土台となります。
(1) その物件でサロンをやりたいと思えるか
物件の視察や内覧をした際に、「ここでサロンを開きたい!」と心から思えるかどうかは、理想的な物件を見極める第一のポイントです。
理屈だけでなく、「働きたい」と思える場所であることが大切です。
開業後もその場で日々働くため、心から「ここだ」と感じる直感は無視できません。
(2) その物件で理想のサロンを営業するイメージが沸くか
店内をどのようにレイアウトをするか、来店から退店までのサービスの流れなど、理想のサロン像がイメージできるかも大切な判断材料です。
具体的なイメージが沸く物件は、開業後の運営がスムーズに進みやすく、さらに顧客にも一貫したコンセプトを提供できるでしょう。
ステップ2:開業できるかを確認する
直感的に良いと感じた物件でも、実際にサロンを開業できるかは別問題です。
物件が美容室に適しているかどうか、具体的な条件をチェックしましょう。
貸主や設備など、開業に必要な条件を満たしているかを確認することが大切です。
(1) 貸主が美容室の入居に前向きか
物件申込前に貸主から美容室の営業を承諾頂くことは当然ですが、貸主が前向きであるとスムーズに事が進められます。
(もちろん貸主審査の前に保証会社の審査が通過しないとそれまでですが・・・)
美容室は水回り等が他業種と異なるため、原状回復や排水詰まりに関する安心感を与えられると良いでしょう。
貸主との関係は開業後も長く続くので円満な関係構築ができるようにしましょう。
(2) 美容室開業に必要なインフラ容量があるか
美容室はお湯や水、電力の使用が多いため、物件がこれに対応できるインフラ容量を持っているかも重要です。
必要な設備が整っていない場合、追加工事が必要になる可能性があり、費用が増えるだけでなく、開業までのスケジュールにも影響が出ます。
確認ポイントとしては、電力やガスの容量や水道の配管状況、排水の処理能力などが挙げられます。
水道・ガスについての記事:その物件、ボイラーが解決するかも?開業者の5割が知らないボイラーの秘密
(3) 物件取得費用と内装費用
物件を取得するための費用が予算内に収まるか、内装にかかる費用が適正かも考慮が必要です。
特に、近年はインフレーションにより内装資材や職人の工賃も高騰しております。
事前にしっかりと内装にかけられる予算をシミュレーションし、予算内で工事はできるか確認してから融資申込みに進みましょう。
参考記事:理想のサロンを作りたい! 失敗しない内装工事のポイント
ステップ3:収益性(儲かるか)を考える
物件が見つかり、開業の準備が整っても、その場所でサロンを継続的に経営できる収益性がなければ意味がありません。
収益性に影響する要素を検討し、実際に利益が見込めるかを確認しましょう。
(1) 指名客のアクセス
すでに指名客がいる場合、そのお客様がアクセスしやすい場所かどうかは大きなポイントです。
指名客が再訪しやすい場所を選ぶことで、開業後の安定した売上を期待できます。
(2) コアターゲットが存在するか
その地域に、ターゲット層が多く存在しているかを確認しましょう。
若年層をターゲットにする場合は学生が多いエリア、シニア層がメインの場合は住宅地が近い場所など、ターゲット層が多い地域を選ぶことで集客がしやすくなります。
市場調査を通じて、ターゲット層が多いエリアを見つけるのも良い方法です。
(3) 家賃・経費が適正か
毎月の経費や家賃が高すぎると、売上が安定しないうちは経営が厳しくなります。
収支のバランスを考え、固定費が無理なく賄えるような物件を選びましょう。
(4) 融資の返済
多くの場合、開業資金を借り入れる必要がありますが、収益が安定しないうちは返済が負担になることもあります。
物件選定にあたっては、収入と支出のバランスをよく考え、返済計画に無理がないように慎重に判断しましょう。
参考記事:収支計画の数字はどうやって決めていく?意識すべき3つの視点
開業時期の優先順位と妥協点
物件選びの際には、開業時期の優先順位も意識しましょう。
開業を急いでいる場合、理想の物件が見つかるまで待っていると開業が遅れてしまう可能性もあります。
完璧な条件の物件を待つのではなく、「80点」の妥協点を見つける柔軟さが求められます。
一方で、物件が優先の場合は、理想の物件が出てくる可能性について市場動向をリサーチし、選択肢を広げることが大切です。
参考記事:物件を見つけたのになかなか融資に進めない!その原因と対策について
参考記事:開業準備がスムーズな人はやっている。物件選定のプロセスと考え方
まとめ
物件選定は、美容室開業のスタート地点に過ぎません。
しかし、このステップで失敗すると、開業後の経営に大きな影響を及ぼします。
特に、ステップ2でつまずいてしまうと、次に探す物件でステップ1やステップ3を軽視しがちになるため、すべてのバランスを意識して慎重に選びましょう。
収益性、感覚的なフィット感、そして開業のタイミングをしっかりと見極め、理想のサロン運営に向けた一歩を踏み出してください。
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●文/コンシェルジュチーム:野呂
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。