24年開業を目指す人へ!身の丈にあった開業は「己を知る」ことから始まる

公開日:2024/01/01  更新日:2023/12/29
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美容室 開業

新年あけましておめでとうございます。

 

昨年もSALONスターターをご愛読いただきまして真にありがとうございます。

 

2024年もビューティガレージはサロン開業を志すみなさまに有益なコンテンツと、開業者に寄り添ったサポートを提供してまいります。

 

毎年恒例になりましたが元旦に配信しています。

 

今年のテーマは「自分を知ることの大切さ」です。たとえ最初から理想のサロンを作れないとしても、まずは身の丈にあった開業をしてほしいと思っています。

 

身の丈にあった開業の重要性

昨年からビューティガレージは開業相談以外に、経営相談にも力を入れてまいりました。

 

経営無料相談はこちらから

 

経営相談では、せっかくオープンしたのに、なかなか思うようにいかず悩んでいるオーナーさまの話を聞く機会がありました。

 

実際に、サロン経営が「楽しくない」「つらい」というオーナーもいらっしゃいました。

 

念願だった自分のお店を持ったはずなのに、現実は厳しいということを思い知らされます。

 

例えば、以下のようなお悩みがありました。

 

  • 思ったように集客ができない。
  • スタッフとの関係性が悪くなった。
  • お金の計算が苦手で管理ができてない。
  • 資金繰りが苦しい。

 

原因を聞いていくと「無理して大きなハコで開業してしまった」といった規模に関する問題、あるいは「自分が苦手な分野(スタッフの管理など)での対処がうまくできない」といった悩みなどが挙げられます。

 

こういう話を聞くと、あらためて「身の丈にあった開業」が重要だと感じました。

 

身の丈にあった開業を行うには二つの点がポイントになります。

 

1)自分が持っているものでスタートする。

2)自分の特徴にあったサロン設計をする。

 

これについて詳しく説明していきます。

 

自分の持っているものから広げていく

まずは美容室を開業するにあたって、自分が持っているものを整理してみましょう。

 

できるだけ自分が持っている資産(モノ、ヒト、カネ、情報)を活かして開業することが重要です。

 

自分の資産で無理なく進められる開業プランを目指しましょう。

 

モノ=技術・キャリア

自分の経歴の棚卸しをしてみましょう。

 

自分のスタイリストとしての経歴や指名客の数だけではなく、自分が得意なメニューや客層なども含めて、いま自分が開業してうまく行く方法を考えましょう。

 

例えば、客単価。

 

今の客単価が8,000円だとしたら、たとえ単価12,000円のサロンが理想だとしても、まずは今の客単価を想定してサロンを作ることをおススメします。

 

今の指名客を意識した価格設定のほうが、指名客が来店しやすくなるからです。

 

まず、自分の得意なもので開業し、基盤を安定させ、その後単価を上げていくようにしましょう。

 

自己資金

つぎに自分の資金を確認しましょう。自分がいま事業に投資できる金額です。

 

この1年で開業を目指す場合、今以上に自己資金を大きく増やすのはかなり難しいです。

 

自分が今雇用されていて、給与で収入を得ているのであれば、なおさら自分の頑張りだけでは増えません。

 

自分の元手を増やしたい場合には、自分の身の回りにいる人にお願いしてみましょう。親族がどのくらい協力してくれるのかを確認しておくべきです。

 

結局は、その自己資金を元に、金融機関で借入れができる金額でサロンを作らなければなりません。

 

本当なら20坪でセット面6席シャンプー3台のサロンを作りたいとしても、今ある元手で規模を小さくして始めてしまいましょう。

 

まずは始めてしまって、軌道に乗りキャッシュを増やすことができた段階で、次のステップとして拡張移転を考えればよいと思います。

 

もしも、自己資金がまったくない場合には、最初からお店を持とうとするのではなく、フリーランスとして独立し、業務委託やシェアサロンで働くべきです。

 

参考:『失敗しない美容室開業|開業の流れから費用や手続きまで徹底解説します!

 

あなたを支える身内の存在について』という記事でもお伝えしましたが、開業にあたって様々なサポートをしてくれる存在がいることは、開業するうえで非常に有利に話が運びます。

 

  • 一緒に働いてくれる仲間はいるのか。
  • 相談に乗ってくれる先輩オーナーはいるのか。

 

もしそうした人が身近にいるのならば、ぜひ開業したいということを伝えて協力してもらってほしいと思います。

 

周囲にそういう人がいない場合はどうしたらいいでしょうか。

 

その場合、開業に関する情報を持っている人やサービスに接触して、積極的に関わっていきましょう。

 

すでに読者の方は、SALONスターターやビューティガレージを知っています。

 

知っていれば、そこへアクセスし、いろんな情報を獲得できます。

 

そして、そこから開業を手伝ってくれる事業者につなげていくこともできます。これは何もビューティガレージだけの話ではありません。

 

セミナーに参加したり、ウェブサイトで検索したりして、情報収集をすれば、そこから出会いが広がっていくのです。

 

 

「自分が持っているもの」に加えて「自分の知っていること」から可能性を広げていくこともオーナーの重要な仕事です。

 

 

人脈も資金も揃うまで待つというスタンスでは、開業もできません。できるところから始めてみることが、非常に重要になります。

 

 

自分らしさをサロンに落とし込む

先ほど述べたように「身の丈にあった開業」とは、技術、お金、人、情報だけでなく、自分の特徴も考慮すべきです。それは単なる性格だけでなく、考え方や価値観、体質なども含まれるものです。

 

同じ環境に置かれても、オーナーによって対応が全然違うことがあります。

 

例えば、1日の予約がいっぱいで埋まってしまったという一人サロンのケース。あるお客さまから「どうしても今日施術してほしい」と言われたとしましょう。

 

あなたならどうしますか。

 

オーナーAさんは営業時間を延長して予約を取ろうとします。オーナーBさんは予約でいっぱいなのでお断りします。

 

これ自体には正解はありませんが、自分がどんな価値判断を行うのかによって対応が変わるのです。

 

仕事に対する姿勢、他者との付き合い方、リスクへの向き合い方など、自分を知ることで、自分にあったサロンの運営ができるようになります。

 

対人関係

あなたは対人関係についてどういう価値観を持っているでしょうか。これまでの経験から自分を分析してみましょう。

 

例えば、自分と他者との関係を振り返ってみましょう。

 

  • どういうことを言われたときに傷ついたり、イライラしたりするのか。
  • 他人からの評判を気にしやすいのか。

 

また、店長など管理職を経験した人は、スタッフへの接し方なども分析しましょう。

 

  • ミスしたスタッフを叱ったことがあるか。
  • 感情のコントロールが効かなくなり怒鳴ったことがあるか。
  • スタッフに気を使いすぎて何も言えなかったことがあるか。
  • 一緒に働いてあわなかったタイプの人はどんな人か。

 

特にスタッフとの関係は、サロン経営に大きな影響を及ぼします。

 

自分の性格や価値観をちゃんと理解していれば、採用や教育、オペレーションの失敗をある程度防ぐことができます。

 

働いてくれる相手に変にあわせてしまって、ストレスを抱えるくらいなら、それこそ一人サロンが適しているのかもしれません。

 

体力

サロンオーナーは忙しいです。サロンワーク以外にも、仕入れ、取引先との打ち合わせ、経理業務など様々な業務をこなします。そして、個人事業主は労働基準法が適用されません。働こうと思ったらずっと働けてしまいます。

 

したがって自分がどの程度の忙しさに耐えられるのかも知っておくべきです。

 

  • 自分は集中力があるか。
  • 1日何時間なら働きっぱなしになれるのか。
  • どういうときにミスをするのか。
  • どういうときに体調を崩すのか。

 

「疲れやすい」「腰を痛めやすい」「手が荒れやすい」など、体力や体調面に不安がある場合には、それを加味した事業計画を作っていくべきです。

 

体調を崩しやすく、長く働くことが得意でないのであれば、営業時間や営業日数を減らし、それで利益がでる設計をしていく必要があります。

 

腰に負担をかけるのがつらいのであれば、アシスタントにシャンプーなどの業務を任せる方がいい、ということになります。

 

自分の体力を過大評価してしまうと、過労で倒れてしまうリスクもでます。特に個人事業主は原則労災保険には入れません。

 

自分の限界を知らず、無理をして体を壊すことのないように、自分ができるキャパシティを考えていかなければなりません。

 

損失の許容度

事業の本質は経費を使ってサービスを提供し売上を出すことです。

 

しかし時には、かけた経費に対して売上が伴わないこともあります。いわゆる損をしてしまうこともあるのです。

 

しかし、その損をどのくらい許容できるかもまた人それぞれ違います。

 

もし開業をして、計画通りに行かず赤字が続いたと仮定しましょう。その時に、あなたはいくらまでなら損失を我慢できるでしょうか。

 

どんどん資金を投入して、現金がなくなるまで施策を打ち続けるか。あるいは、一定の金額の赤字を超えたら撤退するのか。

 

これは損切りを考えるうえで重要な判断基準になります。

 

例えば、費用対効果を割ってしまった集客施策をどこまで続けられるかなどは、合理的な判断も必要ですが、自分の性格も影響します。

 

損失を少なくするには固定費をできるだけ抑えて、指名客を中心に手堅く売上を作っていく戦略がよいでしょう。

 

損失を許容できる範囲が大きい人は、思い切ってスタッフを増員して、どんどん集客施策にもお金を投入していき、売上を伸ばしていくかもしれません。

 

ストレス耐性

あなたはプレッシャーに強いタイプでしょうか、弱いタイプでしょうか。

 

開業サポートをしていると、融資が決まって喜ぶオーナーがほとんどですが、中には借金を背負うことが重荷になってナーバスになってしまうオーナーもいらっしゃいます。

 

返せなくなったらどうしよう、信用情報に傷がつくかも、、、など、どんどん不安になっていったそうです。

 

あるエステサロンのオーナーはー日でも予約が入らない日があると、悩んでしまって夜もよく眠れなくなるそうです。

 

逆に「なんとかなる」という精神で、赤字が続いても、あまり気にせず前向きに課題に向き合うオーナーもいます。

 

このあたりも完全に個人差だと思います。

 

開業で失敗するリスクを0にすることはできません。その中で、失敗して借金を抱えて、経営をしていくことの恐怖に耐えられない人も少なからずいるのです。

 

借金に不安になる人は、できるだけ借入れをしない、あるいは金額を抑える計画を立てましょう。例えば、居抜き物件などは通常の開業費の60%程度でできる可能性があります。

 

 

今回、いくつか項目をあげましたが、チェックすべき項目はもっとあるのかもしれません。

 

とにかく、開業するにあたっては自分がどういうタイプなのかを考えてほしいと思います。

 

もちろん、独立してサロンを経営していくなかで、初めて自分の価値観や性格に気づくというケースもあるでしょう。

 

しかし、失敗をできるだけ防ぐという点から言えば、まずは自分を客観的に分析し、それを踏まえたうえで事業計画を立てていくことをおすすめします。

 

まとめ

開業後に失敗や後悔をしないためにも、まずは身の丈にあった開業を目指しましょう。

 

身の丈にあった開業というのは①自分の持っている手段や資産からスタートすること。そして②自分らしさ(性格や価値観など)に合わせたサロン設計をすることです。

 

開業準備はまず自分を起点にはじめましょう。

 

自分ができること、自分が持っていることを棚卸しして、その資産を活かして開業準備を行っていきます。

 

また、自分のこれまでの経験を振り返り、自分の苦手なこと、嫌いなことなどを知ったうえで、サロン経営やビジネスモデルに落とし込みましょう。

 

特に、自分自身のことをよく知るというのはとても大事です。

 

人間関係が苦手という人は、無理をしてでもスタッフを雇う必要があるかを考えましょう。

 

体力がないという人は、人の助けを借りて事業を大きくできないかを考えましょう。

 

 

2024年もビューティガレージは開業者さまの成功をお手伝いさせていただきます。

 

開業者といっても、考え方も価値観も、自己資金も、経験も千差万別です。

 

自分にとって最善の開業方法はなんだろうとお悩みの方はぜひ、開業無料相談にお問い合わせいただければと思います。

 

今年もみなさまにとってよい一年になりますように。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

 

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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