サロンを続けていくために知っておきたい!事業のライフサイクルについて

公開日:2024/04/08  更新日:2024/04/08
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サロンを繁盛させて継続していくためには、事業全体のライフサイクルを理解することが重要です。

 

プロダクトライフサイクルという言葉があるように、事業のライフサイクルというものがあります。

 

プロダクトライフサイクルとは、商品を市場に投入してから、ヒットして、やがて需要がなくなり、消えていくプロセスのことです。

 

同様に、事業のライフサイクルにも、サロンをオープンしてから、成長し、店舗展開し、やがて廃業していく一連のプロセスがあります。

 

今、自分のサロンはどの時期にいるのかを見極めることで、適切な課題を設定し、解決方法を実施することができます。それによって、成長期や成熟期を伸ばしサロンの永続的な繁栄を目指すことができます。

 

今回は事業のライフサイクルについて解説します。

 

創業期

創業期は、文字通り、サロンをオープンして軌道に乗せるまでの時期です。まずオーナーのミッションは、とにかくサロンをオープンさせることです。

 

オープンまでの大きな障害は資金調達。自己資金だけでなく、親族からの支援金や融資、リースなど様々な手段を使ってサロンをオープンさせます。

 

サロンが誕生して間もない頃は、とにかく安定した利益を出せるまで、一生懸命働きます。この時期は、サロンの売上のほとんどをオーナーが作らなければなりません。

 

いかに自分の指名客をサロンに来てもらうか、新規客を集めるかを考えながら、自分の技術と接客で常連客を増やしていかなければなりません。

 

最初からスタッフの売上に依存するオーナーもいますが、そうするとなかなか基盤が作れません。スタッフは辞めてしまう可能性もあるからです。

 

軌道に乗せるのが遅いと、そのままじりじりと衰退してしまう可能性が高いです。

 

したがって創業期は全身全霊をかけて、売上、利益を伸ばしていく必要があります。ポイントは集客。

 

軌道に乗るまでは、しっかり投資を行って集客対策を打っていくべきです。

 

参考記事:『美容室開業に必要な費用内訳と資金調達について

参考記事:『集客施策は3つセットで考えないとダメです!

 

成長期

オーナーの頑張りもあって、売上も利益も増えてきました。しかし、サロンビジネスではオーナー一人が作れる売上には限界があります。

 

成長期こそ、人を雇ってサロンの売上をさらに伸ばしていく時期になります。

 

ここでのポイントは仕組み化と標準化です。オーナーの腕に頼っていては、いつまでも成長できません。スタッフの誰が担当しても、売上を作ることができる仕組みを作る必要があります。

 

オーナーは自分の成功体験を言語化して、マニュアルなどに落とし込みます。技術だけでなく、カウンセリングの方法、店販の案内の仕方、次回予約の取り方まで、自分のノウハウを広くサロンスタッフに伝え、徹底させることが重要です。

 

できるスタッフを探してきたり、厳しく育成したりするのではなく、サロンの売上を作るためのノウハウを装着させるという発想が求められます。

 

仕組みが出来れば、オーナーが施術に入らなくても売上を作ることができます。そして複数の店舗展開もできるようになるのです。

 

そこで、もう一つのポイントは、お金を貯めることです。成長に合わせて店舗を増やしていくためには原資が必要です。

 

追加の借入れもしなくてはならないため、投資に回せるお金をしっかり貯めることも成長期には大事になってきます。

 

参考記事:『サロン繁盛のカギは仕組み化!店舗ルールを作ることの重要性

 

成熟期

自分の作った事業がうまく回り始める時期です。成熟期はよい意味で安定期とも言えます。スタッフも育ち、店舗運営も各リーダーに任せられるようになります。

 

一方で、大きくなった組織ゆえの問題も噴出してきます。特にスタッフからの不満です。労働時間、給与、人間関係、キャリアなど、スタッフの数が多くなるとこうした不満が露骨に現れてきます。

 

この時期は、人事制度など内部の制度構築に力を入れる必要があります。例えば、給与体制を見直したり、多様な働き方を認めたりして、制度を整えていきます。

 

あるサロンでは直営店10店舗を超えた時点で、キャリア制度を作りました。

 

店長の次のキャリアとしてエリアマネージャーという役職を作ったり、あるいは社内独立制度を設け、のれん分けを実施したりするなど、組織の中でずっと働いてもらえる環境を整備していきました。

 

参考資料:『リスクなしで開業? 美容室の「フランチャイズ」「のれん分け」を徹底解説

 

衰退期/再成長期

社会環境が変っていく中で、サロンの提供する価値を受け入れてもらえなくなる可能性も十分にあります。売上が落ちてきたり、スタッフの離職が相次いだりして、衰退が始まっていきます。

 

衰退期は、じわじわと衰退に向かっていくため、なかなかオーナー自身が認識しにくいようです。一時的に売上が落ちただけ、と思っていると衰退期に入っているなんてこともあり得ます。

 

そして、コロナのように大きな外的要因で一気に廃業してしまうケースもあります。

 

衰退期は、オーナーはサロンの将来を真剣に考えなければならないフェーズになります。

 

もう一度、サロンを立て直す方がいいのか、高い価値のまま売却すべきなのか。より本質的な問いを立てていきます。

 

事業を再び成長させたいのであれば、これまでの事業内容を否定し、大きく変革しなければなりません。

 

あるいは新たな事業を作り、収益の柱を増やすという考え方もあります。例えば、カラー専門店事業やまつげエクステサロン事業を新たに始めることです。

 

衰退期を見極めるために、オーナーは常に外部環境の変化や成長スピードに対して意識を持っておくことが大切です。

 

まとめ

開業を目指す人にとっては、まずは自分のお店を持つことが目標になりますが、事業を繁盛させ、成長させていくことは簡単なことではありません。

 

成長期が来る前に廃業してしまうケースも多々あります。

 

ビューティガレージでは開業者に対して事業計画書を作ることを強く薦めています。ビジネスの原点は事業計画であり、オーナーは常にそれを見直し、修正し、PDCAを回してくことで、事業を繁盛させることができると思っているからです。

 

もちろん一人では事業計画書を作れないという場合には、ビューティガレージのほうでお手伝いさせていただきます。

 

まずは開業無料相談にお問い合わせください。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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