第二波に備えた計画を!コロナ禍でオープンを目指す開業者へのアドバイス
6月に入ってコロナウイルスの感染者数も減ってきて、サロンにも少しずつお客さまが戻ってきたようです。開業相談も4月、5月に比べると増えてきました。
年内に開業をしたいと思っている人は、物件や資金の確保を考えると、今から進めないと間に合いません。
今年の秋から冬にかけてオープンする場合、コロナ第二波の影響が心配されます。実際、相談に来られる開業者はそのリスクを心配しています。
政府もコロナ第二波への警戒を呼びかけています。乾燥が厳しくなる冬には、インフルエンザなど別のウイルスの流行も想定されます。
記事でも書いたように、コロナを意識した衛生面の工夫は当然必要ですが、それだけではサロンの存続のための対策としては不十分です。
仮に第二波が来て、再び2ヶ月の休業要請があったらどうするか。今回は、第二波に備えた美容室開業を考えていきます。
「お金を残す」資金計画
当然、これから開業するサロンも、コロナ予防として様々な工夫をするでしょう。
しかし、どれだけ「うちのサロンは感染症対策バッチリです」とアピールしても、社会全体が外出自粛ムードになり、行政からの休業要請があった場合、ほとんど営業ができません。
今回の第一波でもわかるように、休業せざるを得ない状況になると資金繰りがモノをいいます。
十分な資金を持っているサロンは家賃や従業員への給与などを滞ることなく支払えますが、お金がないサロンは必死でお金集めをしなければなりません。
金融機関には多くの事業者が殺到し、融資を受けるのにも時間がかかっています。
また、持続化給付金も支給が遅れるケースも増えています。余裕がないサロンは、融資が降りるのを1ヶ月も待つことができません。
さらに、コロナ融資では、開業して間もない事業者が融資の対象から外れています。
こうした状況を踏まえると、開業時には十分な運転資金を残しておくことが重要です。
新型コロナウイルスの影響は、誰も想定していませんでした。しかし第二波が来ることは多くの専門家が指摘しています。
それに備えて「現金を増やす」ことを当面のサロンの目標にしましょう。
オープン前に運転資金を多めに確保する。そしてコストを抑えて営業し、資金をできるだけ手元に残していく。資金計画をより細かく作ることが大切なのです。
施術以外の収益方法
美容室は接客を伴うビジネスです。お店が休業になれば売上は0になります。
今回の外出自粛で飲食店は、少しでも収益を確保するために、宅配サービスやテイクアウトなど別の方法に取り組みました。
美容室でも施術以外のビジネスを考えていかなければコロナ第二波に対応できません。
では、美容室ができる本業以外の収益方法とはどのようなものがあるでしょうか。
一つの例を上げるとすると、店販商品の拡充です。記事でも指摘しているとおり、物販は美容室の売上アップに重要な役割を果たしています。
美容のプロがすすめるシャンプーや化粧品には価値があります。うまくプロモーションしながら店販商品を売っていきましょう。
お客さまの来客が難しいならば、通販サイトなどを立ち上げてネットで販売する手もあります。
また、オンラインや動画で「家でもできるヘアケアの方法」や「スタイルの作り方」などをお客さまに紹介して、そこから商品の販売などにつなげます。
これらは一例に過ぎません。ヘアケアだけでなくエステ化粧品や衛生グッズ(アルコール消毒やマスク)を販売するサロンもあります。
コロナによって私達の生活も変わりました。「おうち時間」や「リモートワーク」など、そうした生活変容には多くのチャンスが眠っています。
市場に求められていること×自サロンでできること=新しいビジネスチャンスになります。美容室にこだわらず、新しい収益方法を探っていきましょう。
固定客の囲い込み
もちろん、美容室としての売上を確保していくための取り組みも欠かせません。
私がヒアリングをした複数のサロンの中でコロナの影響を受けたのは、新規客の割合が高いサロンでした。
固定客がついているサロンほどコロナの影響は小さかったように感じます。外出の自粛はあるものの、固定客のほうが予約の変更や連絡がスムーズで、自粛後にちゃんと戻ってきました。
そのことからも、第二波への備えとして、リピート率を上げて固定客を増やしていくことに注力すべきです。
開業者にとっては、前働いていたサロンでの指名客を連れて来れるほうが、早く安定につながります。もし、自分の指名客が見込めない場合には、新規客からしっかりリピートにつなげる工夫をしましょう。
4Cマーケティングで紹介したように、顧客とのコミュニケーションが鍵になります。
インスタ、LINEなどのSNSを使って頻繁にコミュニケーションをとる。POSシステムを活用して、特定客に絞った割引やキャンペーンなどで、リピーターのロイヤリティを高めるなど、サロンのデジタル化を進めていきましょう。
備えあれば憂いなし
来たるべきコロナ第二波に控えて、これから開業するオーナーは以下の点を意識して準備にとりかかりましょう。
資金の確保
運転資金を多めに持ってオープンできるように計画を立てましょう。
新しい価値の創造
カット、カラーといった施術メニュー以外に、物販の強化策など別の収益方法も考えましょう。
リピート重視の集客施策
SNSやシステムを活用してリピーターを増やす施策を考えましょう。
ビューティガレージのコンシェルジュ室では、こうしたコロナを意識した開業準備、事業計画をお手伝いしています。
これから開業する人は今までの開業とは大きく変わっていきます。ぜひ開業無料相談にお問い合わせください。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。