コロナ禍ではお客さまとの長期的な関係性を重視した新たな集客指標が必要

公開日:2020/09/03  更新日:2020/09/03
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ウィズコロナ時代にサロンが取り組むべき5つの施策」でも書きましたが、これからはロイヤルカスタマーを増やして安定した基盤を作ることが大切だと思っています。

 

「ロイヤルカスタマー=定期的に通ってくれるリピーター」が増えると次回予約も埋まりやすく、売上の予想も立てやすくなります。

 

これまでのような「新規客をどんどん取って、サロンの空席を埋める」という発想から、「一人でも多くの新規客にロイヤルカスタマーになってもらおう」という考え方にシフトしていきます。

 

そうすると、新規客の獲得に対して新しい指標が必要になってきます。つまり「新規客数」とは別の指標を追っていくことになるのです。

 

顧客獲得コスト

新規客を獲得すためには費用がかかります。何もせずにお客さまがサロンに押し寄せてくることはまずありません。ホットペッパーなど集客力の高いポータルサイトは人件費以上の広告費がかかります。

 

以前記事にも書きましたが、広告の結果が十分にサロンの利益に貢献できているかの検証が必要です。

 

これまでよく使われてきたのは「費用対効果」です。広告による売上÷広告費で算出できます。 

 

具体的な事例で話をすすめましょう。

 

媒体:ホットペッパービューティー

費用:100,000円/月

新規客数:20人

売上:150,000円

 

この場合の費用対効果は、150,000 / 100,000 = 1.5。1を超えると広告の効果はあったと判断できます。

 

しかし、費用対効果はよかったと判断できても、お客さまを一人呼ぶのにかかったコストは把握できません。そこで、CPA(Cost Per Acquisiton)という指標を使います。CPAは広告費÷新規客数で算出できます。

 

この場合は100,000 円÷ 20人 = 5,000円です。

 

お客さま一人を呼ぶのに5,000円かかっているのです。お客さまの購入クーポンが7,500円ならば、2500円が利益になります。スタッフの人件費を考えると、ほぼ利益はなくなりそうです。

 

もしコストが8,000円かかっているとしたら、8,000円をかけてお客さまに7,500円を支払ってもらうことになります。2回以上利用してもらわなければ意味がないということになります。

 

顧客生涯価値(LTV)

獲得コストという視点でみると、新規顧客を単発で終わらせてはいけないとわかります。新規客の獲得が利益に結びつくには、リピーターになってもらう必要があります。

 

そこで、一人の新規客がリピーターになった場合に、サロンに入ってくる売上をシミュレーションしましょう。以下のケースを考えます。

平均単価:7,500円

来店頻度:2ヶ月に1回

離脱率(途中で来なくなるかもしれない可能性):20%

 

その時このお客さまが1年間でサロンに貢献してくれる売上は次のように表すことができます。

 

平均単価×1年間の来店回数(12ヶ月÷来店頻度)×(1−離脱率)

 

式に当てはめると、7,500円×6回×0.8=36,000円。つまり一人のお客さまがロイヤルカスタマーになってくれれば、年間の売上が36,000円増やせるということです。

 

仮に年間売上を200万円伸ばしたいとすれば、2,000,000円÷36,000円で、約55人のロイヤルカスタマーを増やすことを目標にできます。

 

このお客さまが年間でサロンに支払ってくれる金額を、別の名前で「顧客生涯価値=ライフタイムバリュー(LTV)」と呼んでいます。より長期的な視点で集客を考えるときに役に立ちます。

 

単月で新規客10人が7500円を支払って終わってしまうよりも、その中の2人が年間で6回ずつ来店してもらう方が価値が高いということです。

 

まとめ:長期的な視点で集客目標を設定する

新規集客は大事ですが、単発で終わらせない工夫が必要です。数を取るだけの指標から、いかにリピートにつなげるかという指標にシフトしてきています。

 

まずは「新規客の獲得コスト」を把握しましょう。そのコストがサービス売上を超えてしまっていたら、お客さまには2回以上利用してもらわないと元が取れないと理解してください。

 

また、長期的な視点から顧客生涯価値を計算し、何人をリピートにつなげるかなど目標を作って取り組みましょう。

 

繰り返しますが、ウィズコロナ時代はこれまでのように「空いている時間や席にどんどん新規客を入れていく」スタイルには戻れません。

 

できるだけ蜜にならない、余裕のあったサロン運営が求められます。そうした状況では、新規客の数を指標にするのではなく、別の指標で売上を見ていかなければなりません。

 

今回紹介した、獲得コストやLTVといった方法で、お客さまとの関係性を築くための集客計画を立てていきましょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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