2021年開業を目指す人へ!準備を着実に進めるための「情報・決断・実行・修正」サイクル
新年あけましておめでとうございます。
昨年もSALONスターターをご愛読いただき誠にありがとうございました。
本年も、サロン開業者に役に立つ情報を提供していきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
2020年は「新型コロナウイルス」の年だったと言っても過言ではないでしょう。
コロナ禍での開業はかなり大変なものでしたが、サポートさせていただいたお客さまからは「コロナなんかに開業を邪魔されない」という意志の強さも感じました。
サロンオーナーになった人に共通しているのは「情報収集・決断・実行・修正」というサイクルを回していることだと思います。
今年1回目の記事は、開業者の事例をもとに開業準備を前に進めていく方法についてお話ししようと思います。
目次
情報を集める
物事を始めるためには、情報収集は欠かせません。
「開業するといっても何から始めたらいいかわからない」という人は、誰かに聞いたり、本やサイト記事を読んだり、セミナーに参加したりして情報を集めていきます。
この段階で大事なことは、目的意識を持つことです。完全に受け身で情報を得るよりも、知りたいことを明らかにして情報を集めましょう。
例)開業セミナーでの情報収集
Aさんは、とりあず何をしていいかわからないので「開業の流れを聞ければいい」と思ってセミナーに参加します。
セミナーでは一般的な開業までの流れ、融資で大事なポイント(自己資金、信用情報、計画書)、事業計画書の書き方(コンセプト、ターゲット、資金計画、収支計画など)などを学びました。
しかしこれらは実は書籍やネットで調べればわかることばかりでした。これといって自分にとって役に立つ情報は得られませんでした。
Bさんは、自分の自己資金でいくらまで借りれるか、限度額いっぱいに借りるために必要なことは何か、を知りたいと思ってセミナーに申し込みました。
「理想としては総投資額の1/4が自己資金として必要になるのか」「自分の自己資金が200万円だったら、総投資額を800万円に抑えれば、600万円を借入れできる」ということが理解できました。
そこから、さらに踏み込んでセミナーで質問してみました。「200万円でも1000万円借りることは可能か。そのためには、どんな要素が必要なのか」
それに対して、セミナー担当者から「見込み客」が融資で重要なポイントになりそうだという情報も得られました。
その情報によって、Bさんは「今の指名客が通ってくれそうな条件」で物件を探してみようと考えました。
得られる情報は意識の差です。自分が何を知りたいのかを具体的に意識できれば情報の濃度は濃くなります。
※参照『学びを無駄にしない! 開業セミナー受講後の“行動”のススメ』
決断する
次に、得られた情報をもとに決断していきます。決断に必要なのは判断基準です。この基準が明確な人はテキパキと物事を決めることができます。
例)物件を決める際の判断基準
実際には、いくつか内見した物件の中で比較をして決めていくことになります。
物件を決めるための要素としては「家賃」「駅からの距離」「路面店かどうか」「建物の築年数」「集客のしやすさ」などなど、数え上げればきりがありません。
その中でオーナーは自分の判断基準に照らして、重要な要素を選び、どの物件で開業すべきかを決断していきます。
どの要素が重要かはオーナーによって違います。それがオーナーの価値観であり、判断基準なのです。
Cさんは、自分の指名客を大切にしたいと思っているため「駅からの距離」を優先させました。
Dさんは、運転資金を確保することを重視したいため、多少不便でも「家賃の安さ」が決め手になりました。
決断することがオーナーの大きな仕事です。これはサロン経営においても必要な資質になります。
※参照『理想のサロンに出会えない! 物件選びで失敗しないための判断基準作り』
実行する
開業は一人でやるものではありません。様々なビジネスパートナーと協働してサロンを作ります。
オーナーは開業プロジェクトのリーダーです。リーダーが決定したことを実行するためには、メンバーを動かす必要があるのです。
その時に重要になってくるのは、コミュニケーション力です。自分が思っていることを相手に正確に伝えて動かすのは、思っている以上に大変です。
例)内装工事からオープンまで
Eさんは、工事が完成したらサロンがオープンできると思っていました。
しかし、サロンが完成してから、はじめて営業に必要な電話回線やインターネットの契約などをしていないことに気づきました。
Eさんは内装業者が設置の手伝いをしてくれるものと思っていたのです。一方で内装業者はそうしたことはEさんがビルの管理会社と準備すると思っていました。
サロンは完成しましたが、結局電話回線とネット環境が整うのに時間がかかってしまい、オープン日を伸ばすことになりました。
実行段階では「何を誰がどこまでやるのか」をビジネスパートナーと確認していくことが求められます。
例)日本政策金融公庫の融資
また融資面談においても、コミュニケーション力が問われます。日本政策金融公庫に融資を実行してもらうためには、担当者を説得しなければなりません。
面談は、事業計画書をもとに、サロンのコンセプトや自分の強み、今後の集客プランをプレゼンする場になります。
実行のフェーズは、いかに協力者に動いてもらうかです。協力してくれる人への説明、説得、依頼がうまく行かないと、実行できないのです。
※参照『成功の秘訣は協働作業! 開業におけるビジネスパートナーとの付き合い方』
修正する
開業準備において、最初に描いた開業までのプロセスが想定通りに進むことはほとんどありません。必ずと言っていいほど、何かが起こります。
「融資に失敗した」「内装業者が連絡つかなくなった」あるいは「一緒に働く予定だったスタッフが断ってきた」など、様々なトラブルが襲います。
その時に、オーナーは計画を修正していく柔軟性が求められます。
例)予想以上に内装費がかかってしまい、運転資金が不足
Fさんと内装業者は、工事がはじまってはじめて水道管の老朽化に気づきました。
当然すべて取り換えなければいけないため余計な出費がかかりました。その分、運転資金が減ってしまいます。
ここでFさんは、運転資金を補填するために必要な手段を考えます。
また情報収集のフェーズに戻り、民間からの運転資金借り入れ、美容器具のリース、もしくはスタッフの雇用体制の見直しなどを検討します。
「スタッフの働く環境」と「オープン時期」という判断基準に従って、予定通りオープンするために美容器具のリースを決断。
ビューティガレージのショールームスタッフに依頼して、素早く与信を通し、運転資金を確保。無事に予定通りにオープンができました。
修正のフェーズでは起こった問題を解決するための方法を考えます。再び「情報収集⇒決断⇒実行」のサイクルを回すのです。
※参照『事例に学ぶ! サロン開業時の予算オーバーに対する意思決定プロセス【前編】』
『事例に学ぶ! サロン開業時の予算オーバーに対する意思決定プロセス【後編】』
前進するには課題を解決していくしかない
私たちは、開業無料相談で開業のロードマップをお渡ししています。
ロードマップを見ると、道筋がはっきりしていて、開業までのステップをどんどん進めていけると思えます。
しかし実際は、一つ一つのステップで「情報、決断、実行、修正」のサイクルを回して、課題をクリアしなければ、次へは進めないのです。
情報だけ集めて止まっている人は、どんな情報があれば決断できるかを考えましょう。
決断できない人は、自分の判断基準を持ちましょう。
実行できない人は、一緒にサロンを作ってくれるパートナーを見つけましょう。
修正できない人は、粘り強くまた情報収集から始めましょう。
今年もビューティガレージでは、未来のサロンオーナーのお手伝いをさせていただきます。
ぜひお気軽に開業無料相談にお問合せください。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。