【美容室開業のリアル】運とスピードがカギ? 開業準備で一番大変だったこと

公開日:2019/09/10  更新日:2019/09/17
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美容室 内装

ビューティガレージのコンシェルジュ室では、開業するオーナーの方に開業サポートを行っています。

 

事業計画書の作成からサロンのオープンまで、二人三脚で開業の準備を進めていきます。

 

開業サポートを受けたオーナーとは、美容室オープン後にサポートの振り返りをします。

 

その際、必ず「開業準備で一番大変だったこと」についてヒアリングをしています。

 

今回、2017~2018年に開業したサロンオーナーのうち、ヒアリングした40件の結果を集計しました。

 

実際に開業した人たちが、どんなことに苦労したのかを共有したいと思います。

 

開業までのプロセス

サロンをオープンするまでには手順があります。この記事でも何度か書いていますので、おさらいしておきましょう。

 

事業計画書作成

まずは理想のサロンのイメージを書き出します。そして数字によるシミュレーションを行い、開業に必要な資金や開業後の収支予測を明らかにしていきます。

●関連記事:開業を思い立ったらまずここから! 事業計画書が絶対に必要なワケ

 

資金調達

事業計画書をもとに金融機関の融資審査を受けます。場合によってはローンやリースといった手段を使って、開業後にも運転資金が十分残るようにします。

●関連記事:自己資金だけに頼るのはキケン? 賢い資金調達と経営の考え方

 

物件選定

自分が出店したいエリアで物件を探します。「大きさ」「家賃」「駅からの距離」など、判断基準にしたがって物件を絞り込んでいきます。

●関連記事:サロン設計のプロが教える! 理想の内装を実現する物件選びのコツ

 

内装デザイン・施工

デザイナーと打ち合わせを行いながら希望のデザインを作り上げていきます。

 

事業計画書などをデザイナーと共有し、サロンコンセプトや現実的な予算を汲んだ内装を実現していきます。

 

●関連記事:理想のサロンを作りたい! 失敗しない内装工事のポイント

美容器具選定

スタイリストの使いやすさだけでなく、お客さまの視点からも考える必要があります。

 

メーカーによって価格の幅が大きいため予算を意識しながら選んでいきます。

 

●関連記事:美容室開業時に失敗しない“器具選び”のポイント3つ

 

集客プロモーション

集客ツールは、ターゲットの選定が第一です。そのターゲットがどんな媒体で情報を収集するかという視点で、さまざまなプロモーションを仕掛けていきます。

 

●関連記事:『頼る』から『活用する』へ。サロン集客におけるポータルサイトとの付き合い方

 

一番の苦労は「物件選定」

アンケート結果

このデータをみると、4割のオーナーが、一番大変だったのは「物件選定」と回答しています。理想の物件を見つけるのは容易なことではないようです。

 

中には10件以上も内見に行ったオーナーもいました。1年以上物件を探したオーナーもいました。

 

あるオーナーは、出店希望のエリアで物件が見つからなかったため、計画を変えて別のエリアでの出店に変更しました。

 

開業サポートでも、ビューティガレージから不動産情報を提供することはありますが、すぐに決まるケースのほうが珍しく、時間がかかります。

 

物件が決まらないと、融資も含めて次に進まないため、ここで立ち止まるケースは非常に多いです。しかしながら、簡単に妥協するわけにもいきません。

 

物件は一度決めてしまえば容易に変更ができないので、慎重に選ぶ必要があります。

 

物件を決めるときには以下の事ことを心がけましょう。

・物件への判断基準を持つ。
・妥協できる部分を見つける。
・出店エリア候補を広げる。

 

物件選びに関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

意外に多い「その他」の中身

2番目に多かったのは「その他」です。開業プロセスとは別にトラブルが起きたケースがこれに当てはまります。

 

「その他」の中身は、主に人間関係によるトラブルでした。

・スタッフとの関係
・前サロンとの関係
・友人との関係

 

スタッフとの関係

●一緒に働く予定だったスタッフに土壇場で断わられた。収支計画に影響がでるため、急きょ別のスタッフを探すことになった。

●オープン直前の準備をスタッフに手伝ってもらっていたところ、スタッフの親から「ちゃんと給与を払ってほしい」とクレームを受けた。急いで雇用契約書や就労規則などを作成することになった。

 

前サロンとの関係

●別のスタッフが辞めたこともあり、自分が辞めづらくなった。辞めるタイミングなど前オーナーと交渉するも、すんなりOKを出してくれず、半年以上オープン時期をずらすことになった。

●駅の反対側に出店する予定だったが、オーナーから反対されたため、押さえていた物件をキャンセルした。エリアを2駅ずらして、物件を探し直した。

 

友人との関係

●内装デザインと工事を友人に頼んだが、レイアウトも見積もりも間に合わず、予定していた融資審査をずらした。また、内装工事も思った以上に時間がかかったため、オープンをずらすことになった。

 

まとめ:開業のポイントは「人」と「物件」

開業サポートを受けても、スムーズにいくとは限りません。特に「物件」と「人」は自分の思い通りに行きません。

 

開業のプロセスを見ればわかるとおり、開業するためには多くの利害関係者と関わることになります。

 

また、「開業サポートを受けたから物件以外の開業プロセスではスムーズに行った」とも言えます。

 

人間関係のトラブルの原因はコミュニケーション不足のように思います。特に、知り合いや友人との関係はビジネスの関係になりにくいです。

 

開業準備はビジネスです。「言わなくてもわかる」は通用しません。どんな相手であれ、自分の求めること、相手が期待していることなど確認しながら進めていく必要があります。

 

一方、物件については運です。いつ理想の物件が出てくるかわかりません。

 

出てきたときにすぐに物件を押さえて、スムーズに融資に進めるように、事業計画書の作成は早めに終わらせておきましょう。

 

多くのオーナーがこうした困難を乗り越えて開業しています。これから開業を考えている方は、ぜひこうした体験から学んでほしいと思います。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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