最短でオープンを目指せ!美容室開業を着実に進めるための6つのステップ

公開日:2020/10/21  更新日:2020/10/21
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
開業 準備

先日、日本政策金融公庫に行ってきました。かなり混んでいました。話によると、4月に創業する人たちが融資の相談に来ているそうです。

 

業種はなんであれ、4月に創業するのに10月から動き出していることには注目すべきです。融資を意識した開業は遅くても半年前から準備をしていくのです。

 

「物件を見つけたので、すぐに融資を受けたい」という相談もよくいただきます。

 

しかし、融資の前に踏むべきステップがあります。物件が見つかっても、あるいは契約をしてしまっていても、すぐには融資に進めないのです。

 

だからこそ、半年前からスムーズに開業できるように、一つずつステップを踏んでいくのです。

 

SALONスターターでも「開業の流れ」を掲載していますが、今回は、開業までのステップをより詳しく書いておきます。

 

【ステップ1】事業計画書作成・物件探し・採用活動

最初にとりかかるのは事業計画書です。どんなサロンを作るのか。どこで開業するのか。どのくらいの規模でやるのか。どうやったら儲かるのか。こうしたことを念頭に、事業計画書を作っていきます。

 

同時に始めるのが、物件探しです。コンセプトやターゲットが決まると、物件選びの判断基準が明確になります。

 

逆に、物件が決まってからコンセプトやターゲットを決めるケースもあります。

 

また、目標の売上を達成するためには、一緒に働く人を探すことも大切です。

 

人手不足もあり、なかなか決まらないことが多いため、オープンギリギリまで採用活動を続ける人もいます。

 

立地を絞ってからでないと、働く人が迷ってしまうので、ある程度固まってから採用を始めます。

 

※おすすめ関連記事

あなたのサロンの価値は? 繁盛店に導くセールスポイントの見つけ方

開業すべき場所はここ! 美容室の出店エリアパターンと攻略法

 

【ステップ2】見積もり収集と開業資金の決定

事業計画書がある程度完成したら、サロンを作るためにいくら使うのかを決めます。

 

つまり費用を算出する作業です。費用になるのはすべて見積もりを取るのが理想です。

 

しかし、現実的には細かい経費はこの段階ではわからないので、予想として割り当てるだけでも大丈夫です。

 

少なくとも、物件や内装費、美容器具など設備資金にかかるものは必要になります。金額が大きければ大きいほど正確に見積もりをとります。

 

見積もりを取る=業者やメーカーを決めることでもあります。このステップに時間をかけないと、あとでトラブルになります。

 

特に内装費の見積もりは、現地調査を実施してもらい物件の設備の状態などを調べてもらうのは欠かせません。

 

物件が見つかっても、その物件でサロンを作るのにいくらかかるのかを見積もらなければ、次のステップには行けないのです。

 

※おすすめ関連記事

美容室開業に必要な初期費用『設備資金』と『運転資金』の知識まとめ

 

【ステップ3】融資審査

見積もりを集めて、開業費用がわかったら、必要な資金の調達を行います。つまり融資のための準備です。

 

日本政策金融公庫の融資審査では、提出する資料がいくつもあります。

 

推薦書、借入申込書、通帳、美容師免許など審査に必要なものを揃えなければ審査面談に進めません。

 

融資を意識しているのであれば、前もって準備しておくとスムーズです。

 

また、自分の書いた事業計画書を読み直して、融資面談でしっかりと答えられるように練習しておきましょう。

 

自分の実績をアピールできるものがあれば用意するのもおすすめです。

 

売上実績、コンテストの表彰状、自分のスタイルが載った雑誌などは計画の裏付けになります。

 

資料をそろえて、いよいよ融資面談に臨みます。通常であれば、申込みから融資決定まで約1ヶ月かかります。

 

※おすすめ関連記事

審査をスムーズに進めるために欠かせない!創業融資の提出資料チェックリスト

 

【ステップ4】打ち合わせ

融資面談を終えて結果がでるまで、できることを進めていきます。基本的には契約することを前提に業者と打ち合わせを進めていきます。

 

・内装業者との打ち合わせ

計画した予算に従って、レイアウトや実際のサロイメージを決めていきます。

 

・不動産業者との打ち合わせ

契約書の内容の確認や、入居可能な日にち、融資がおりた場合を想定した入金日などを決めていきます。

 

・販促物にかかわる打ち合わせ

内装業者と同様、広告代理店やデザイン会社と、ロゴやホームページの内容、ポータルサイトであればクーポンなどを決めていきます。

 

「契約締結まで何も進めない」という場合には、例えば内装デザインのイメージだったり、商材だったり、自分なりに情報を集めて打ち合わせに備えましょう。

 

※おすすめ関連記事

成功の秘訣は協働作業! 開業におけるビジネスパートナーとの付き合い方

 

【ステップ5】契約

晴れて融資が通ったら、いよいよ各種、契約を結びます。契約を結ぶことでテナントを借りることができ、工事をスタートできるのです。主な契約は以下の通り。

 

・日本政策金融公庫との契約

借用書(申込書)を書いて日本政策金融公庫に送付します。

 

・不動産との契約

契約書を交わして入金します。鍵の受け渡しを行います。

 

・内装業者との契約

内装費用を確認して契約を交わします。多くは、工事前に半額を入金、完成後に残高を支払います。

 

※おすすめ関連記事

騙されてない? サロンの物件契約でチェックすべきポイント3つ

覚えておきたい!美容室開業にかかわる民法改正【不動産契約】

 

【ステップ6】営業準備

いよいよ工事がスタートして、サロンができることが決まったら、ハコの中身を揃えていきます。

 

サロンが完成してすぐにオープンできるような体制にしていく必要があります。まず取り掛かるべきは以下の4つ。

 

・電気・ガス・水道

申し込みをして利用日を確認しましょう。

 

・美容器具・設備

特にシャンプー台など大型のものは工事の日程に合わせて納品しましょう。

 

・商材・備品

細々したものを揃えなければなりません。忘れがちなのは保健所による立ち入りに必要なもの。

 

・スタッフ

給与や勤務時間などを取り決めて、雇用契約を結びます。

 

上記のものに加え、お客さまが予約をして、施術をして、お帰りいただくまでのプロセスの中で必要なものをすべて揃えなければいけません。

 

・雑誌/タブレット

・BGM

・予約システム、売上システム

・クレジットカード決済・電子マネー決済など

 

もちろん工事が完成しないと進まないタスクはありますが、こうしたサービスも事前に情報収集してくとスムーズです。

 

※おすすめ関連記事

忘れないで! サロン開業における保健所での手続きと提出書類まとめ

お客様にはどう映る? サロンオープンまでに考えるべき営業準備のコツ

 

【まとめ】開業の手順に沿って確実にオープンを目指す

失敗しない開業のコツは、着実に一つ一つのステップを踏んで進めていくことに尽きます。

 

先日「なんの準備もしていなかったのに、条件の良い物件が急にでてきた」と相談に来られた方がいました。

 

しかし、実際に事業計画書の作成から始めてもらうと「その物件では開業できそうにない」ことがわかりました。

 

手順に沿って進めることがいかに大切かがわかります。6つのステップを考えれば、開業はすぐにはできないのです。

 

実際は遅くとも半年前には第一ステップに取り掛からなければオープンには間に合いません。

 

10月のこの時期、来年4月の創業に向けて日本政策金融公庫で相談をしている人がいるのは、当たり前の光景なのです。

 

来年の春にオープンを考えている方は、遅くとも年内中には開業準備を始めましょう。開業無料相談へのお問い合わせお待ちしております。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

関連記事

開業事例